超小型車のスマート(Smart)が帰ってくる。ただし、中国生まれとして── 。
2026年8月、中国工業情報化部(MIIT)の型式申請資料から、新型「スマート #2」の量産車が明らかになった。全長は2751~2764mm、2人乗り。見た目もサイズも、2024年3月にメルセデス・ベンツグループでの生産を終えた「スマート フォーツー」の後継と考えていい。発売は2027年を予定している。
ただし現在のスマートは、メルセデス・ベンツ傘下ブランドではない。
メルセデス・ベンツと中国の吉利控股(Geely Holding)が50%ずつ出資する合弁会社が運営し、研究開発と生産の中心は中国に移った。デザインはメルセデス・ベンツ、R&Dはスマート自身が中国で担い、吉利の中国生産・サプライチェーンを活用するという分業だ。つまり、「中国生まれの超小型車」というわけだ。
■メルセデスは「小さいスマート」を儲かる事業にできなかった
スマートと言えば、元々はスイスの時計メーカー「スウォッチ(SWATCH)」とメルセデス・ベンツの共同プロジェクトとして1998年に始まった。後にスウォッチが撤退し、2019年までメルセデスが単独でブランドを育てた。 フランスのハンバッハ工場などを拠点に、主にガソリン車の超小型車を製造した。
だが、メルセデス、当時のダイムラー・クライスラーは、スマートを儲かる事業として成立させることができなかった。世界販売は2004年に15万2100台、2005年には12万4300台、2006年には10万2700台と年々減少。英投資会社バーンスタイン・リサーチの調査によると、スマート事業はブランド発足から2006年前後までの累計損失で約33億ユーロ(約50億ドル)を叩き出し、「近現代の欧州自動車史上で最も巨額の赤字を出したプロジェクト」となった。
2014年に発売された3代目フォーツーでは、ついに自社だけで専用小型車を作る方式を断念。ルノーと共同開発し、3代目トゥインゴとプラットフォームやエンジンを共用して開発・生産コストを下げた。
EVへの対応が遅かったわけでもない。2007年から電動フォーツーを実証し、2012年には量産EV・EQフォーツーを投入。最後はエンジン車を廃止し、EQフォーツーへ一本化した。
それでも、メルセデス単独で事業を成立させる構造にはならなかった。
2019年、メルセデスは吉利との50:50の合弁を選ぶ。2020年1月に正式発足したsmart Automobile Co., Ltd.
の登録資本金は54億元。両社が27億元ずつ拠出し、メルセデス側は主にスマートブランドを現物出資した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/55cbf6c79e03bec7ec56b557df29cb9bdad5c9dc
