
高専生が考える防災減災のアイデアは
6日は東京で全国の高専=高等専門学校の学生が防災や減災のアイデアを競うコンテストの最終審査会が行われました。この中で、県内から出場した奈良高専のチームが全体で2番目にあたる賞を受賞しました。
全国の高専から28のチームが参加した「防災減災コンテスト」。10チームで競う最終審査会で、奈良高専の2チームはこれまでの研究過程や実現性の高さなどをアピールしました。このうち、風で飛ばされにくい農業用ハウスのアイデアを考えたチームが最優秀に次ぐ位置づけの賞、「高専機構賞」を受賞しました。
奈良高専のチームが考えたのは、屋根に突起をつけることで飛ばされにくい構造にした農業用ハウスです。ハウスが横から強い風を受けた時、突起があると突起の後ろ側で風の流れが複雑に変化し、地面側に押しつける力が増え、飛ばされにくくなるといいます。チームメンバー4人はこうしたシミュレーションに基づき、3Dプリンタで16種類の突起付きのハウスの模型を作成。実験装置で模型に風をあてて風圧のかかり方を計測し、最適な突起の形や大きさを探りました。また、メーカーや農家から聞いた話しをもとに突起部分だけをハウスに付けられる構造にしてコスト削減や実現性を高めました。
県内では曽爾村で、5年前の9月に台風の影響により農業用ハウスおよそ50棟が倒壊するなどの被害が出ました。こうした被害を減らしたいというのが研究の原動力となっています。チームには家族が農業をしているメンバーもいて、身近な問題として今回の研究を続けてきました。
チームリーダーで機械工学科の高橋水木さんは「もし風が吹いてハウスが飛んでしまったら、農家の方が困るだけではなく、人にあたる被害や物を壊す可能性もある。実際に付けてみて日本全国に広めていきたい」と話していました。風に飛ばされにくい農業用ハウスは、今後、メーカーなどと協力して実用化を目指しているということです。
全文はこちら
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nara/20230307/2050012959.html
続きを読む