TSMCが「米国シフト」/稼働率2割の熊本工場に失望
台湾から来ていた中核技術者が米国へ旅立った。経産省主導の「半導体祭り」は変調あらわ。
「台湾本社から米国へ派遣するという辞令が出たので、来月にも熊本を発ちます。サヨナラ」――。
日本向け売り上げは5%
今春、半導体世界大手の台湾積体電路製造(TSMC)のチームリーダーは取引先幹部らに自身の転勤辞令を告げた。この台湾人リーダーは日本の製造子会社であるJASM(熊本県菊陽町)に派遣され、熊本第1工場の新設を指揮した生産ライン設計の専門家。工場の施工主体となった大手ゼネコン(建設会社)の鹿島や、半導体装置メーカー大手とも折衝を重ね、計画通りに第1工場を立ち上げた。2025年に着工する予定の第2工場の新設計画も、このリーダー主導で進むとみられていた。第2工場は27年に稼働する予定で、これから杭打ちなどの具体的な建設が始まる。そのタイミングで立ち上げチームの主要人物の米国転勤が決まった。この辞令は、TSMCが熊本よりも米国を優先したことを意味する。関係者の話を総合すると、TSMC ………
https://facta.co.jp/article/202510004.html

