横浜市消防局の救急隊が通報を受けて駆け付けた際、現場マンションの玄関扉を破壊したとして、マンションオーナーが市に交換費用など約28万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が14日、横浜地裁であった。高木勝己裁判長は市の違法性を一部認め、25万円余りを支払うよう命じた。
判決などによると、同市中区にあるマンションの居住者の親族から2022年2月、「新型コロナウイルス陽性で自宅療養中の居住者と数日間連絡が付かない」と119番通報があり、救急隊員が臨場。玄関扉は施錠され、居住者や管理会社に連絡が付かなかった。隊員が通報者の承諾を得て、バールで玄関扉を壊して立ち入ったが、居住者は不在だった。
高木裁判長は判決理由で、消防法を根拠に扉の破壊の違法性が阻却されるとの市側の解釈について、火災発生時などを想定しており、「新型コロナという疾病の場合を対象にしたとはいえない」と指摘。隊員の行動は「やむを得ない行為」と一定の理解を示しつつも、「原告らが所有財産を何の補償もなく破壊されることを甘受すべき立場にあったとはいえない」とし、原告の損害賠償請求権を認めた。
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