【誤報といっても過言でない記事、印象操作のためだとしたら極めて悪質】
最近、日本でもSNS規制の議論が急激に活発化しています。
新聞社やテレビ局は、SNS規制を進めるべきという論調の報道を繰り返していますが、事実ではないものも見受けられます。
この記事にも、その一つ。
まず、「2026年12月、オーストラリアが16歳未満のSNS利用を原則禁止とする法律を成立させた」とありますが、完全に誤りです。
オーストラリアにおけるSNS規制は、年齢制限付きソーシャルメディア・プラットフォーム(ARSMP)が「年齢制限されたユーザーがアカウントを持つことを防止するために合理的措置を講じる」という義務のみを課すもの。
16歳未満の子供のSNS利用を禁止するものではなく、アカウント登録せずログインしない状態でYouTubeを視聴することは可能です。
さらに、保護者などがこどもにSNS利用させることには罰則が存在しません。
次に、「法整備が進む国々では、SNS企業に対し、利用者が制限年齢以上かを厳密に確認することを法律で義務づけている」とありますが、これも誤りです。
オーストラリアの法律では、SNS企業がどのように年齢制限を実施するべきかの詳細を定めておらず、「合理的な措置」を義務付けているのみです。
その背景には、SNS利用における年齢制限を厳密に行うことは技術的にも非常に困難であり、個人情報やプライバシーといった権利利益を侵害するという懸念があります。
そもそも、この記事は、定義も存在せず、予防法も治療法についての科学的知見も存在しない「SNS依存」を所与の前提としている点が大問題です。
こどものメンタルヘルスの問題とSNSに因果関係があるかも分からないし、SNSを禁止したらメンタルヘルスの問題がなくなるという根拠もないのに、ただただSNS規制ありき。
SNSが居場所になっているこども、SNSによって支援につながっているこどもから、居場所や支援を奪うことについて何も考えられないのか、憤りすら感じます。
また、SNSを通じて意見を表明するというこどもの権利、SNSを通じて情報を知るこどもの権利の重要性についてまったく触れられていない点も、非常に残念です。
こどもを守ることを大義名分に、諸外国の事例を日本でSNS規制が進むような誤った内容で伝える報道姿勢には、強く抗議します。
何が本当にこどもを守ることにつながるのか、SNS規制が本当に必要なのか、仮に必要だとしてどのような場合であれば許容されるのか、エビデンスに基づいて地に足の着いた政策議論を進めることが重要です。
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