総選挙で自民党を歴史的大勝へと導いた高市早苗・首相は、すでに次を見据えて動き出している。選挙後は「国論を二分するような大胆な政策」を推進するとしてきた高市氏は、憲法改正や安全保障政策の転換を進めるとみられているが、それだけではない。狙いを定めているのが、メディアの巨大な既得権益「電波利権」だという。【シリーズ第1回】
◼高市政権が狙う「地デジの電波オークション」
高市首相が選挙中に露わにしたのが「テレビ嫌い」だ。
各党党首が出演するNHKの『日曜討論』(2月1日)を「遊説中に痛めた手の悪化」を理由に急遽欠席したにもかかわらず、その日は愛知・岐阜で遊説。投開票前日の2月7日には、テレビ東京が『選挙前日!11党トップらに異例の生直撃』と題して放送した選挙番組に各党党首が遊説先などから生出演したのに対し、高市首相は代理として参院議員会長の松山政司氏を出演させた。
同番組の放送時間帯に高市首相は東京・代々木で開かれた「北方領土返還要求全国大会」に出席した後、首相公邸に戻っていたにもかかわらず出演しようとしなかった。
「これまで歴代首相はテレビを通して国民に情報発信し、世論に訴えることを重視したが、SNSやネットで高い支持を得ている高市総理はテレビを必要としていない。実際、新聞・テレビは今回の総選挙を『大義なき解散』と一斉に批判したが、有権者を動かせなかった。オールドメディアの世論への影響力低下は明白だ」(官邸の首相側近)
高市首相の日曜討論欠席は木原稔・官房長官の判断だったとされるが、その木原氏も名うての「メディア嫌い」で知られる。
安倍政権時代に自民党議員有志が設立した「文化芸術懇話会」の代表を務め、その初回会合で参加者から「マスコミを懲らしめる」などの発言が相次いだことが批判を浴びて自民党青年局長を解任され、3か月の役職停止処分を受けた経験を持つ人物である。
その高市政権が狙っているとみられるのが、“テレビはもういらない”という考えを体現する「地デジの電波オークション」だ。
電波オークションは、通信や放送に利用される「周波数帯域」の割り当てに際して、入札方式で事業者を決めるやり方だ。国民共有の資産である電波(周波数帯)の利用権を、より高い価格を提示した事業者に割り当てることで有効利用できるという考え方で、世界各国で実施されている。
高市首相は総務大臣時代にこの電波オークション導入を推進しようとしたが、当時はメディアの猛反対を受けてうまくいかなかった。しかし、昨年の電波法改正で導入が決まり、今年、日本で初めての電波オークションが実施される予定だ。ただし、今回の入札対象は地上波テレビが使っている周波数帯ではなく、通信用の高周波数帯の一部。
高市政権はその先にテレビ局が地デジ放送で利用している周波数帯のオークションを見据えているという。
「電波オークションは高市総理の悲願。電波法改正でテレビ局が持つ周波数帯をまな板に載せる準備は整った」(同前)
電波オークション推進派の元自民党参院議員で、今回の総選挙で参政党から当選した和田政宗氏(元NHKアナウンサー)もこう語る。
「今回は高周波数帯のオークションを行なう予定だが、その次の課題として放送局の周波数をどうするかというテーマになるのは間違いない。私はSNSなどネットの発展で将来的に通信の周波数帯が足りなくなることから、放送局が抱えている周波数を開放して電波オークションを実施することを訴え、政府にも働きかけてきた。自民党の情報通信戦略調査会でも議論してきたが、私の意見に反発はありませんでした。
放送の周波数帯のオークションは所管の総務省だけでは決められず、内閣の政治判断が必要になる。電波オークションに前向きな高市政権の今が、国会で議論を始めるチャンスでしょう」
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https://news.yahoo.co.jp/articles/bcbbb55ebbd0f251dc08f468c22d8f077eb7407d

