国会では、高市早苗首相側の誹謗中傷動画への関与をめぐり、高市首相がほとんど詰んだ状況に陥っている。次々と新たな事実が出てきて、高市首相のこれまでの答弁との食い違いが明らかになり、事実上の答弁修正にまで追い込まれた。首相の進退が問われる事態である。
しかし、国会の外ではそんな雰囲気はない。私の友人たちも、今もなお「高市さんいいわね」という人の方がはるかに多いのはなぜだろうと不思議がっている。
昨秋、高市氏が自民党総裁選に勝利した直後、駐日中国大使館員の夫人たちが「高市さんいいわね」と拍手を送っていたという話は俄(にわか)には信じられなかった。しかし、「普段から政治に強い関心を持つ人は別だが、テレビやネット動画しか見ない人は、政治に接するのはバズった動画を見る時だけだから、自然とそうなるんですよ」という中国大使の解説を聞いて、なるほどと合点が行ったのを覚えている。
新聞を読む人は少数派だ。国会論戦の話がネットニュースで少し取り上げられても、特にバズることがなければ目にしない人の方が多い。国会の中と外は別世界なのだ。
高市首相は強運の持ち主でもある。先週はG7サミットなどの外遊で国会出席はなし。派手なパフォーマンスは不発だったが、スターマー英首相やメローニ伊首相との首脳会談などで多少の話題はできて露出もあった。ただし、今の苦境を脱するというところまでは行かなかった。
その代わりに高市首相を救ってくれそうなのがサッカーワールドカップ(W杯)だ。史上最強と期待される日本は、15日(日本時間)の初戦で強豪オランダ相手に2度もリードされながら追いついて引き分け、勝ち点1をもぎ取った。首相の外遊などなくても、国会での首相追及の動きを世の中からほぼかき消す効果をもたらした。
最初に追いつく素晴らしいシュートを決めた中村敬斗選手は、首相にとってはまさに救世主と言っても良いだろう。
21日(同)のチュニジア戦でも日本が4対0で圧勝。26日(同)のスウェーデン戦で決勝トーナメント進出を決める可能性が高まったとあって、日本中がお祭り騒ぎになってきた。
その先の相手が、FIFAランキングトップ10以内のブラジル、モロッコ、フランスのいずれかなどと言われても、「強豪を破って優勝だ!」と夢は膨らむ一方だ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0c01eb66cab7c23e11114db15d69059138aa3114

