■前田愛奈記者:
「茶色の建物がいまの八雲町役場です。昭和36年に建てられ老朽化が課題となっています。」
築60年以上経過した庁舎は、現行の耐震基準を満たしていないなど、建て替えが急務となっています。新たな庁舎の設計を担うことになったのが、東京オリンピックのメインスタジアム、国立競技場を手掛けたことでも知られる世界的建築家の隈研吾さんでした。
2022年、隈さんは函館市の設計事務所と共同で、八雲町新庁舎設計の公募に申し込み、5社の中から選ばれました。
新庁舎は木がふんだんに使われ、せり出す大きな屋根が特徴のデザイン。
雪かきの手間が最小限になるよう設計されています。
公民館などの機能も兼ね備えた、町のランドマークとする計画でした。
しかし、去年10月と12月に行われた入札はいずれも不調に。
工事を請け負う事業者は決まりませんでした。
■八雲町萬谷俊美町長:
「庁舎は役場職員、行政事務のために執務する事務所であり機能性と快適な執務環境は求められていますが、芸術ホールや美術館などの文化施設のようなデザイン性は必要ない施設であると考えております。」
隈さんが設計した新庁舎計画を進めていた前町長から一転。
去年就任した萬谷町長は、2度の入札の不調を理由に計画を白紙に戻すことを決定。
先月3回にわたって開かれた住民説明会には、合わせて200人ほどが集まりました。
■萬谷町長:
「現行の設計のままで工事発注するためには、9億円ほど追加しなければならないということになっております。」
町は入札が不調に終わった原因は、建設費が当初の見込みより9億円ほど増えた42億円となったことをあげています。主に千歳市のラピダスの建設などに伴う道内の鉄骨資材の高騰によるものと分析しています。
■町民:
「格好だけでは駄目、身の丈にあったものをつくるのが行政の進む道」
方針の転換に、町民からは賛成の声も多くあがりましたが、すでに支払った1億9000万円の設計費が無駄になることについては怒りの声が。
■町民:
「謝れば済んだということではない、議会にも責任あると思います」
■町民:
「第2の夕張ですよ!」
1億9000万円の設計費は、あくまで国交省の基準に沿った価格ですが、多額の税金が水の泡となることに町民の同意は得られません。
■萬谷町長:
「もったいない話は十分わかります。1億9000万円、税金を納めてる方に申し訳ないと思っております。」
https://www.htb.co.jp/news/archives_36040.html

