トランプ米政権によるベネズエラ大統領拘束を巡り、国連安全保障理事会が5日に緊急会合を開いた。今後の国際情勢はどう変化していくのか。東京大の佐橋亮教授(国際政治)に聞いた。【聞き手・古川幸奈】
トランプ米政権は昨年12月に公表した「国家安全保障戦略」において、西半球に対する「外国勢力」の介入を許さず、軍事力を活用しつつ、パートナーを増やす方針を示した。
ベネズエラへの軍事行動は、新たに設計された極めて独善的な西半球政策の最初の展開と言える。国際法上、正当化できない武力行使であり、国際社会が米国の「帝国主義的」とすら見える外交にどう向き合うかは深刻な課題だ。
しかし、国連安保理での各国の発言などを見ると、日本を含む主要7カ国(G7)が団結して米国を非難する構図ではない。欧州は、ウクライナ侵攻を巡るロシアとの交渉を米国に頼っているため、腰砕けだ。
2003年に米国が始めたイラク戦争では、仏、独などが武力行使に強く反対した。だが今回は、秩序の崩壊を食い止める擁護者が見当たらない。
今後、米国の道徳的なリーダーシップはさらに失墜するだろう。国際社会における「法の支配」が希薄になる中、パワーポリティクス(権力政治)への回帰も加速するとみる。
米国の軍事行動によって、ロシアや中国に対するG7の説得力は一層弱まった。結果的に、国連憲章に記された「(国家)主権平等の原則」を主張する中国の説得力が増し、影響力を高めることになるだろう。
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