では、中国のプロパガンダ部隊は、いかにして辺野古に介入したのか? 現在は削除されている東恩納氏のHP記事には以下の記述があった。「龍谷大学の松島教授の紹介で(邢記者が来た)」
この紹介者とは、松島泰勝氏のこと。琉球独立を主張する沖縄人の民間団体「琉球民族独立総合研究学会」(琉独学会)の中心人物である。
「琉独学会は、米軍普天間飛行場の辺野古移設問題に県民の反感が高まった2013年に設立。沖縄の歴史的経緯に加え、解決が見えない基地問題への強い反発が背景にあります」
同会幹部と面識を持つ沖縄県民の比嘉氏(仮名)はそう説明する。基地に苦しむ沖縄人を「(日米に植民地支配された)先住民族」と位置付けるのが、松島氏の持論だ。
こうした視点の提起は自由である。しかし大きな問題は、松島氏と中国当局との蜜月関係だ。
・「中国は寄り添ってくれる」
松島氏は琉独学会の設立以降、『環球時報』をはじめ中国の官製メディアにしばしば登場。中国で開かれる、沖縄の日本帰属に疑義を唱えるシンポジウムにも、ときに他の琉独学会幹部を連れて何度も出席している。
「琉球人として、私はここに中国政府へ心からの謝意を表する」
昨年12月の北京訪問時、松島氏が中国メディアに寄稿した文章にはこんな言葉もある。
中国はその2か月前、国連で「沖縄の人々を含む先住民への偏見と差別の停止」を日本政府に要求。松島氏の言葉はこうした動きに”感謝”を示した形だ。
琉独学会と中国の同調には、別の証言もある。
「北京から戻った別の幹部が『アメリカはすべてが暴力的だが、中国は(沖縄人が受けた)抑圧を知って寄り添ってくれる』と言うのです」(前出・比嘉氏)
周知のように、中国はチベットやウイグルの少数民族に強力な同化政策を押し付け、反対者を暴力的に弾圧している。だが、松島氏ら琉独学会の幹部に、中国の抑圧体制は目に入らないらしい。
『環球時報』記者の辺野古取材や中国との距離感について、松島氏に質問状を送ったところ、所属する龍谷大学より「回答を差し控えさせていただきたい」(学長室広報)との返事があった。
一方、彼らとも近しい主張は、反対協の内部からも聞こえてくる。〈沖縄の若者の中に、真剣に琉球独立を考える人が増えている。(略)沖縄の自己決定権が必要。そして琉球自治州を作っていく方向が必要だと思う〉
転覆事故後の謝罪会見で、傲然と腕組みをしていた安次富(あじとみ)浩・反対協元共同代表が2013年、中核派中央から分裂した過激派団体・革共同再建協議会の機関紙に語った言葉である(『未来』2013年5月7日発行)。
辺野古に中国共産党を招き入れた反対協は、もとより近年の中国の戦略と親和性の高いイデオロギーを持つ人物が力を持っていたとも言えそうだ。
世論調査で、独立論に一定の共感を示す沖縄県民は約3割にのぼる(『東京新聞』2022年4月24日)。基地問題の矛盾に、県民の多くが不満感を覚えているのも事実だ。
だが、沖縄の”救世主”は決して中国共産党ではないだろう。2019年、香港で民主化や「独立」を主張するデモ隊を強圧的に
弾圧したのは、他ならぬ彼らである。
東恩納氏にHPを削除した理由などについて、また反対協にも安次富氏の琉球自治発言、中国共産党との接点への認識などを問う質問状を送付したが、期日までに回答はなかった。
反対協は犠牲者を出した転覆事故に加え、日米に及ぼす安全保障上の問題に関しても、説明責任を果たすべきではないか。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/5900b2221c56468fcf9909fecbbc9f8149f528d8
