リニアの建設促進を目指す期成同盟会の総会が都内で開かれ、静岡県の川勝知事が水資源や生態系の懸念について説明しました。一方、沿線の知事からは懸念に理解を示しつつも、静岡工区の早期着工を求める声が相次ぎました。
◆沿線知事のほぼ全員が静岡工区に言及
31日午後、都内で開かれたのは、リニアの早期建設を目指す期成同盟会です。
静岡県は2022年7月に加盟し、31日の総会には沿線10都府県の知事などや国会議員、関係団体から約250人が出席しました。
期成同盟会会長の愛知県・大村秀章 知事:
東京・名古屋・大阪の三大都市区域が一体化され、人口7000万人のスーパー・メガリージョンが形成され、世界中からヒト・モノ・カネを呼び込む巨大な経済圏を生み出す
国家プロジェクトに位置づけられているリニア新幹線の事業。ただ、静岡県は大井川の水資源や生態系への影響を懸念し、静岡工区は着工できておらず、予定していた2027年の開業は難しい状況です。
31日の総会では、沿線の知事から各県で行われている用地買収や工事の進捗状況が報告されました。
そしてほぼ全員が言及したのは静岡工区の問題です。
山梨県・長崎 幸太郎 知事:
早期に水問題解決に向けた関係者間の協議が整い、速やかに工事が着工されることを山梨県として強く強く期待します
三重県・一見 勝之 知事:
名古屋以西の工事が、名古屋以東の遅れで遅れることは避けてほしい
長野県・阿部 守一 知事:
静岡工区の問題は開業時期に直結するきわめて重要な課題であり、静岡県の問題であると同時に沿線地域すべての共有の問題だと考えています
◆自民議員も皮肉?「建設反対期成同盟会ではない」
静岡工区の早期着工を求める声は、総会に参加した自民党の議員からも…。
自民党 リニア特別委員会・古屋 圭司 委員長:
“建設反対”期成同盟会ではないので、「小異を捨てて大同につく」考えで、同じ土俵に立ち沿線の知事が一体となって頑張ってほしい
自民党・高市 早苗 議員:
リニアで使う超電導技術は日本の最高の強み。私も非常に誇らしく思っています。何としてもいち早く展開し、世界にお披露目をしないといけない技術
◆川勝知事「一貫して賛成 ただ水の戻し方と土砂置き場が…」
こうしたなか川勝知事は…。
静岡県・川勝 平太 知事:
静岡県は一貫してリニアに賛成しております。リニアの技術は日本の誇るものであり、次世代に継承・発展させていかなければならない
他の知事と同じくリニア推進を掲げた一方で、静岡工区の問題として挙げたのが、トンネル工事で出た水の戻し方と土砂の置き場についてです。
静岡県・川勝 平太 知事:
水の問題に関してはJR東海が田代ダムの取水抑制によって解決案を出しており、この実現可能性をいまJR東海と東京電力で話し合っています。田代ダムの取水抑制と、燕(つばくろ)沢の盛り土360万立方メートルと藤島沢の要対策土10万立方メートルを合理的に解決すれば何の支障もない。皆様方の知恵を借りて解決しながら、リニアの成功に向け協力をしたい
川勝知事は、着工にはまだ壁があることを伝えました。
全文はこちら
https://www.fnn.jp/articles/-/536082