中国で15日、旧正月(春節)の9連休が始まった。日中関係の悪化で中国政府が日本への渡航自粛を呼びかけたことも影響し、旅行先として韓国やタイの人気が高まっている。
韓国大手紙「朝鮮日報」は「中国人たちは日本の代わりに韓国を選んだ」と報じた。
ソウル中心部の観光地・明洞(ミョンドン)では、中国人がよく使う電子決済サービス「アリペイ」を春節期間中に使えばお得だと宣伝する青いのぼりがあちこちに掲げられた。崔輝永(チェ・フィヨン)文化体育観光相は15日午後、明洞で中国人観光客を歓迎するイベントに参加する予定だ。
中国東部・浙江省から友人と旅行に来ていた教員女性(29)は「日本旅行も考えたが、今年は韓国にしました。日本は来年、行きます」と話した。
中国紙によると、大手旅行サイトの集計で、中国人が春節先に訪れる海外の旅行先のトップ3は①ソウル②バンコク③シンガポールだった。例年、上位につける日本の都市は、今年は10位以内にも入らなかった。日中関係が悪化したことを受けて中国政府が日本への渡航を自粛するよう呼びかけたことが影響したとみられる。
韓国観光公社などの調査によると、春節期間中に韓国を訪れる中国人は昨年の春節に比べて約44%増える見通し。中国から韓国への個人旅行には査証(ビザ)の取得が必要だが、韓国メディアによると、ビザの申請件数も急増しているという。
日中関係の悪化と対照的に、中韓関係が改善したことで、中国人が韓国に旅行しやすい環境になったとの指摘もある。
中韓関係は、米韓両政府が2016年、在韓米軍への終末高高度防衛(THAAD)ミサイルの配備を決定して以降、「冬の時代」が続いた。北朝鮮への対応を理由とした配備計画だが、自国の安全保障を脅かすとして中国が猛反発。中国から韓国への観光客は激減した。
だが中国の習近平国家主席と韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領が昨年11月と今年1月に会談し、関係の強化で一致。両国関係は改善の軌道に乗った。中国外務省の林剣副報道局長は今月2日の記者会見で「多くの韓国の友人が春節の期間に中国に来ることを歓迎する」と述べた。
一方で、韓国では近年、中国の軍事力強化や一部の中国人客のマナーなどを理由とした「嫌中」のムードも根強い。一部の若者らによる「嫌中デモ」も開かれ、社会問題になっている。【ソウル福岡静哉】
https://news.yahoo.co.jp/articles/4a6708e6fd4e583ea32f7f83c7074fc8d1ceb4b8
