「ひとつは麻生副総裁の意向が大きいでしょう」
と明かすのは、全国紙政治記者だ。
「麻生氏は政権成立直後から、高い内閣支持率を背景に早期の解散総選挙を望んでいた。高市政権成立の立役者である麻生氏の意向だけに重い。しかも、高市首相は年末に落選した議員たちに会っている。その際に、次の選挙で復活を期する彼らに、早期の解散総選挙を迫られていた。麻生氏の意向に加え落選議員からの強い要請に、高市首相としては耳を貸さざるを得なかったのでしょう」(同・全国紙記者)
麻生氏が早期解散を迫ったウラにあるのは、高い内閣支持率だけではないようだ。ある調査が永田町で話題になっていたという。
「ここにきて、自民党だけでなく野党の世論調査でも、自民党の単独過半数獲得の結果が出たのです。この結果に、各党に衝撃が走った。というのも、高市政権の元で行われた葛飾区議選や岐阜県美濃市長選では、高市人気と自民党支持が結びついておらず、自民が負けている。ただ、世論調査の結果などを分析し、自民党幹部は“勝てる”と踏んだのでしょう」(永田町関係者)
・解散総選挙が「対中政策」に与える影響
それ以上に大きな早期解散に踏み切る要因とみられるのが、高市政権成立とともに連立を解消した公明党の動きだ。前出の有馬氏によれば、
「各選挙区で2万票ほど動かせる公明党は、自民党にとっては最大の懸念材料です。当落線上にいる議員たちにとっては、公明党の動き次第では、大量落選の可能性もある。ですが、立憲民主党と公明党との選挙協力の動きがまったくと言っていいほど進んでいないのです。であれば、協力体制ができないうちに総選挙に打って出るというのは、自民党の戦略としてあり得ない話ではないでしょう」
と分析する。
諸々の状況を考え、自民党にとって念願だった単独過半数獲得を狙う最大のタイミングと高市首相はみたのだろう。そんな動きにある立憲関係者は
「ひと昔前ですが、ある立憲幹部が『野田(佳彦代表、68)さんは威勢のいいことを言うが、所詮は口だけ』とボヤいていたが、今がまさにそのとおり。政権交代を狙うといっても、代表として公明党と話し合いすらしていない。立憲と公明が選挙協力できれば大きなうねりになるのは分かっているのに、解散総選挙を前にただ手をこまねいているだけですからね」とあきれる。
政権交代後の連立を見据えた選挙協力となれば、選挙区調整や公約のすり合わせなど、かなりの労力を使う。それでも、国民人気の高い高市自民党に勝負するとなれば、それくらいの覚悟が必要なはずだ。
「永田町では、自民党は最大で50議席ほど増やすのではといわれています。高市さんにとって安定した国会運営ができること以上に、台湾発言でこじれている中国に対して“国民に選ばれた首相”として、外交で存在感を増すことができるのは大きい。選挙で圧勝した首相を軽視するワケにはいきませんからね」(前出・永田町関係者)
果たして、高市首相の目論見どおりに、自民党の圧勝劇となるのか。それとも、ただの皮算用になってしまうのか……。
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