テスラを抜いたBYDは利益55%減、新興EV破綻で40万人が「修理難民」に…値下げ競争で自滅する中国EVの末路
2025年、BYDはテスラを年間販売台数で上回り、中国EVの勢いを世界に見せつけた。ところが足元では、激しい値下げ競争などで利益を削られ、BYDの直近四半期利益は前年同期比55%減に沈んだ。さらに新興EVメーカーの破綻により、約40万人のオーナーが修理もままならない「修理難民」と化す事態も起きている。世界一のEV大国で続く消耗戦の実態を、海外メディアが報じている――。
■王者BYDは利益が半減
2025年のトヨタの営業利益率は9.1%、ゼネラルモーターズ(GM)は6.86%だった。フォルクスワーゲンやBMW、メルセデスも0.2~6.5%とばらつきはあるが、中国の業界平均4.1%は、これら世界の主要メーカーと比べて決して高い数字ではない。
2026年に入っても歯止めはかかっていない。CPCAの崔東樹事務局長が示したデータをガスグー・オートニュースが報じている。1~3月の業界利益は前年同期比18%減の784億元(約1兆8700億円)に落ち込み、利益率は3.2%。生産台数も715万台と、前年から6%減っている。
1台あたりの収支はさらに厳しい。平均売上高である33万7000元(約803万円)に対し、コストは29万9000元(約712万円)を投じている。税負担(1台あたり2万7000元)を差し引いた粗利益はわずか1万1000元(約26万2000円)にとどまる。前年比13.2%の減少だ。
国内の他産業と比べれば、最終製品を手がける下流製造業の平均利益率は約6%を確保している。自動車産業の3.2%は、その半分にすぎない。
厳しい状況の中、「決勝戦」で優位に立つ王者さえ無傷ではいられない。テスラを追い抜き、EV世界販売トップに立ったBYD。だがその2026年第1四半期決算は、決して芳しいものではなかった。
最も大きな痛手として、利益が半減した。CnEVPostによると、株主帰属純利益は40億9000万元(約974億円)で、前年同期比55%減。売上高も1502億3000万元(約3兆5800億円)と約12%落ち込んだ。
■40万人が「修理難民」に
浙江合衆の破産は、約40万人の哪吒汽車オーナーの暮らしを直撃した。オーナーたちは、「自分の車がいつ動かなくなるか分からない」との恐怖に慄いている。
昨年5月ごろから、中国全土のオーナーがアプリのダウンに見舞われている。36Krによると、スマートフォンからの遠隔操作が一切効かなくなり、車載ネットワークのデータ更新も停止。カーナビの位置情報すら取得できなくなった。
Netaの大規模障害は、半年で実に3度目を数える。2025年初頭、「システムメンテナンス」を名目に公式サイトが72時間にわたってダウンした。4月にはアプリが再びクラッシュし、Bluetoothキーが反応しなくなった。車の外に締め出される人、車内に閉じ込められる人が続出した。
危うい兆候は、2024年後半にはすでに表れていた。全国に300カ所以上あったアフターサービスの拠点が次々と閉鎖され、2025年時点で残るのは50カ所に満たない。実に6分の1以下にまで縮んだ計算になる。
36Krが引く北京商報は、コンパクト電動SUV「Neta U」の女性オーナーのケースを取りあげている。購入時には「航続距離400km」と謳われた車だったが、わずか2年でバッテリーの持ちが大幅に落ちた。保証修理を正規ディーラーの4Sショップに求めたところ、返ってきたのは、「メーカーと連絡が取れない」の一言だったという。
やむなく自費で修理した後、損切りを覚悟で売却を試みたが、査定額は5万元(約119万円)にも届かない。購入価格14万元(約333万円)に対し、失った額はその6割超。わずか2年の使用で、価値の大半を失った。
https://news.yahoo.co.jp/articles/87a75e91e1441a9ac8fe9a04f369fd2a6dc97154
