ドイツ激震、VW工場閉鎖は「氷山の一角」-工業力衰退の象徴に
8月中旬の月曜日午後、ドイツ東部ツウィッカウにあるフォルクスワーゲン(VW)の電気自動車(EV)工場では従業員たちが硬い表情で働いていた。この工場では数百人の臨時従業員を解雇した後、夜勤を廃止していた。
すでに不吉な予感が漂っていた。「正直なところ、ピリピリしたムードだった」と、VWの最新かつ最も効率的な工場の一つであるツウィッカウ工場で組み立てマネージャーを務めるロニー・ゼヘ氏は振り返った。
その3週間後、「ビートル」で知られるVWが、創業から87年の歴史で初めて工場を閉鎖する必要があるとの警告を発した。VWの工場で働く人々の未来がリスクにさらされている。
VWによる衝撃的な発表の直前には、旧東ドイツ地域2州の選挙で極右勢力が大勝し、政治的な警鐘が鳴らされていた。
ドイツ最大のメーカーが工場閉鎖という引き返せない「ルビコン川」を渡ろうとしていることで、ドイツは工業力衰退という物語の中で最も象徴的な瞬間に直面している。
VWの発表は、ビジネスの現実を遅ればせながら認識したというだけではない。自動車大国としてのドイツのイメージと、かつて輸出世界一だった経済への打撃だ。
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https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-09-05/SJBN5TT0AFB400