米国ではいま、若いアスリートたちが漫画やアニメへの愛を積極的に発信するようになっており、それがスポーツ界ばかりか、いわゆる「オタク」のイメージにも大きな影響を与えている。自身も『ドラゴンボールZ』と『遊戯王』のファンとして育ったという米紙「ニューヨーク・タイムズ」の記者が、この状況を報じている。
ジャマール・ウィリアムズ(29)は2023年、NFLのニューオーリンズ・セインツに加入後初の会見に、キツネのようなキャラクター、イーブイの帽子を被って登場した。彼はアメフトについては語らずポケモンについて話し、この会話が彼の自己紹介代わりとなった。
米国の陸上選手ノア・ライルズは、今夏のオリンピックの男子100メートルで金メダルを獲得した際、『ドラゴンボール』の「かめはめ波」をするように、お椀形にした両手を前に突き出して喜びを表現した。
米国の有名アスリートたちは、アニメ好きであることをますます発信するようになっており、お気に入りの日本のアニメを愛情を込めて分析しながら、ロッカールームで友情を育んでいる。彼らはその過程で、さまざまな種類のファンダムや、ジョックとギーク(いわゆる体育会系とオタク)という時代遅れの区分について、人々の先入観を覆している。
「ここには球技が上手くてアニメも好きなオタクがたくさんいるよ」とウィリアムズ。「ラップや球技だけやるような、ステレオタイプ的な人間になる必要はないんだ」
スポーツの合間の癒し
アニメは日本の漫画から派生したものが多く、米国では90年代後半に『ドラゴンボールZ』、『ポケモン』、『ONE PIECE』などの作品によってその人気が急上昇した。
このジャンルをよく知らない者の多くは、それをニッチな趣味だと考えるが、アメフト選手や野球選手を含む若い世代にとっては重要な存在だ。
「(アニメが)好きな人を見つけるたびに、目が輝くよ」と話すのは、今季シアトル・マリナーズの最多安打を記録している外野手のフリオ・ロドリゲス(23)。彼は怪我のリハビリ中にアニメを見るのが癒しだと語る。
NBAスターのジョエル・エンビード(30)は、プレーオフの試合前にマッサージ台で治療を受けながら、『ドラゴンボールGT』を見ていたところを目撃されている。女子テニス選手のコリ・ガウフ(20)は、2023年の全米オープン準決勝で勝利した後、試合前に『僕のヒーローアカデミア』を4、5話見ていたことを明かした。今年の夏、彼女は貨物運送会社「UPS」の広告でアニメのキャラクターになった。
NFLクリーブランド・ブラウンズのディフェンシブエンドであり、NFLで最も屈強な選手の一人であるマイルズ・ギャレット(28)は、チームの施設に毎回、漫画を持ち込んでいる。
昨シーズンの最優秀守備選手賞を受賞したギャレットは、「いまみたいな状況が実現するまでには長い年月がかかったけど、若い世代が新しいことの探求にオープンだったんだ。若くて多感な時期にアニメや漫画に夢中になり、そのために夜更かしして、それらに触れ続けているんだ」と語っている。
ギャレットはいま、『呪術廻戦』と『トライガン』を見ているという。彼によれば、NFL選手の約6割のがカジュアルなアニメファンだ。また、NBAニューオリンズ・ペリカンズのザイオン・ウィリアムソン(24)が数年前、雑誌「GQ」に語ったところによれば、NBAのアニメファンの割合はもっと多いという。
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https://courrier.jp/media/2024/09/18234518/ATHLETES-ANIME-e1726638336265-1600×900.jpg.webp