1:名無しさん




秋葉原駅を出て中央通りを渡り、総武線の高架沿いを歩くと、すぐに姿を現すのが「東京ラジオデパート」だ。戦後の混乱期、闇市の露店商が自然と集まり、1950年に誕生したこの施設は、電子部品の名店がひしめく、マニアにとっては聖地のような存在である。なかでも「千石電商」などの専門店はその代表格だ。

この混沌としたラジオデパートの地下1階で、ひときわ異彩を放つのが「秋葉原最終処分場。」である。2019年に開店したこの店は、1階にある「家電のケンちゃん」の系列店で、店長・中川宗典さん(41)が「ジャンク界のド底辺を攻めた」と語る通り、並々ならぬ覚悟で設けられた“気骨のジャンクショップ”だ。

店の前に立てば、まず目を引くのは異様な配色の貼り紙と、商品の「格付け」を記したユニークなレーティング表だ。品物は「喜」「普」「悲」「苦」「酷」、そして「謎」の6段階に分類されている。

中でもレベル1の「喜」は、「処分場をうたっているのに、奇跡的に普通に使えるレベル」と説明されるが、貼り紙の文面からにじむのは、単なる実用性ではなく、皮肉めいた達観である。

極めつけは最上級の「酷」だ。欠品や外装の破損は当然のごとく、主要部品が抜き取られていることも珍しくない。「ジャンク品には夢があると言ったがあれは嘘だ!」という一文に象徴されるように、このレベルに挑む者には、自虐的な悦びすら求められる。もはや“商品の質”というより、“挑戦者の覚悟”が問われる空間といっていいだろう。

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