日本最北端の北海道稚内市に1日、コンビニ大手のローソンが初出店した。市内のコンビニはこれまで、道内を中心に展開するセイコーマートだけ。全国大手のコンビニは100キロ以上離れた地にしかなかった。全国ブランドの進出に、店の前には開店前から行列ができ、期待が渦巻いている。
オープンしたのはローソンの「稚内栄五丁目店」と「稚内こまどり五丁目店」の2店舗。午前8時のオープン前から、両店前には100人を超える待ちきれない市民らの行列ができ、オープンすると早速、混雑する店内でお弁当やスイーツなどが飛ぶように売れていった。開店前のセレモニーには副市長らがテープカットに訪れ、福袋も販売される盛り上がりぶりを見せた。
午前5時半から並んだという松本賢人さん(19)は「セコマしかなかった土地でローソンを見るのはとても新鮮」と感動していた。SNS(ネット交流サービス)でも「まさか自分が生きているうちに、稚内にセーコマ以外ができるとは」などの声が相次いでいる。
両店は店舗資材に道産木材を使った。25日には市内3店舗目が開店する。道内のローソン各店は1日から宗谷・オホーツクフェアを開き、利尻昆布ラーメンなどを販売する。
◇「最寄り」の大手、130キロ
コンビニ大手の進出は、稚内市民の悲願でもあった。これまでのローソンの最北端は雄武町。稚内からは約160キロあり、オホーツク海沿岸を南下して車で3時間程度かかる。セブンイレブンは、日本海沿いに南下すれば羽幌町、内陸を通れば美深町に店舗があるが、いずれも稚内からは130~150キロ程度。ファミリーマートは滝川市が最北だ。「ちょっとコンビニへ」という距離ではない。
出店のハードルは物流だった。ローソン広報部によると今回、倉庫面積を広げたほか、店内でお弁当やサンドイッチなどを調理する「まちかど厨房」を展開し、悪天候時などにも安定した商品供給が可能になった。チケット発券サービスを使うために雄武町まで通う市民もいたという。広報部の担当者は「遠隔地のお客様の利便性向上を図りたい。人気商品の『からあげクン』やスイーツを、稚内の人に楽しんでもらいたい」と話す。
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開店前から早くも待ちわびる市民らの行列ができたローソン稚内栄五丁目店=北海道稚内市で1日、那珂義也撮影