「俺たちは透明人間ですかね」 “送料無料”が引き起こす運び手軽視の波
「送料無料」の文字でジャックされたその車内。長年この4文字の表現に「なんとかならないのか」としてきた元トラック乗りにとって、その空間は正直気分のいいものではなかった。
「この広告を打った企業の配達員をやっていますが、実際この広告を見た時、すごくモヤっとしました。自社はデリバリー業界の会社。それを大々的に送料無料ってしちゃうのは何か違う気がします」(都内20代フードデリバリー配達員)
周知のとおり、「送料無料」という表現を使っているのは、何もこの企業だけではない。規模や知名度に限らず、ありとあらゆるネット通販サイトやデリバリー企業が、この「送料無料」を”サービス”として当たり前のように打ち出している。
消費者にこの4文字は魅力的に響く。本来ならば自身の足と時間を使って取りに行かねばならないものを、”無料”で届けてくれるのだから。
が、その荷物を運ぶドライバーや配達員にとってこの表現は、自身の労働価値を否定された気分になり、言いようのない虚無感に襲われるのだ。
「俺たちは透明人間ですかね」(40代長距離トレーラー)
「運送・物流はボランティアじゃない」(40代大型中距離青果食品系)
「自分がやっている仕事を『タダでいい』と言われれば誰であってもいい気分になるはずがない。そんな失礼な言い方が一般に浸透して許されているのが不思議」(50代関東地方トラックドライバー兼運行管理者)
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https://news.yahoo.co.jp/byline/hashimotoaiki/20220128-00278913