◆「駐車をしないよう側溝のフタを外して欲しい」
敦賀市在住のAさんが体験した「落とし穴事故」は昨年11月13日、その鈴ケ崎トンネルのすぐ近くで発生した。
「その日はマツダデミオで敦賀市色浜近辺の県道141号線を北(鈴ケ﨑トンネル)に向かっていました。ふと気づくと、後ろから接近してくるクルマがいたので先に行かせようと思ったんです。煽られている雰囲気ではなかったのですが『追いつかれた車両の義務』(道路交通法第27条)のことが頭に浮かんだので。これはよけるべきだと。
しかし色浜周辺はずっと海沿いの片側一車線で左側は路肩も狭く…やっと左前方に見えてきたのが事故現場となった空き地でした。左ウィンカーを出して空き地に入ろうとした瞬間、落とし穴に落ちたような強い衝撃を感じました。ガガッ、ゴゴッという下回りをぶつけた鈍い音もしました。その時点で後続車は一気に加速して私の車を追抜いていきました」
そしてAさんは愛車が空き地の入り口近辺の路肩にずっと連なる「フタのない側溝」に落ち、その後すぐにハンドルを切ったため、元の道路に戻ることができたものの、車には傷がついた。Aさんが続ける。
「運転席からフタが飛び飛びになっていることなど確認できなかったばかりか、フタで覆われている部分もありました。車を空き地に入れようとした時はそれが確認できましたが、まさにトラップ。道路の左わきにある空き地に入るには必ずその側溝を横切るわけですが、入口には進入禁止や立ち入り禁止などの警告看板やポールも何もありませんでした」
Aさんの車はコンクリートでできた固い側溝で激しく損傷したため、その修理代は約60万円と高額なものになってしまった。
「道路の欠陥による事故ではないか、と考えたので、事故の翌日、福井県庁の土木部道路建設課にメールを送りましたが、数週間経っても何の反応もなかったんです。それで敦賀市役所など様々なところに問い合わせて、鈴ケ崎トンネル手前の側溝は福井県の管轄だとわかりました。結局、事故現場の道路を管理している土木事務所の担当者と現場確認に行けたのは、事故から1か月半が経過していました」
そして、Aさんは担当者の指示によって、管理者である県知事へ損害賠償の申し立てを行う申立書を提出した。
上記の情報をキャッチして、事故現場の道路を管理していた「嶺南振興局敦賀土木事務所」を取材した。「あの場所の側溝のフタがなぜ外されていたのか」と質問すると、担当者からは耳を疑う驚愕の理由が語られた。
「フタを外したのは地元からの要望です。釣り客がたくさん訪れて、道路沿いに何台も違法駐車をする。駐車をしないよう側溝のフタを外してほしいという要望にこたえたものです」
これにはびっくりである。側溝のフタを外してわざと危険な状態にして駐車をさせないようにしていた…ということなのか?後日、福井県の担当者より「わざと危険な状態にした」という発言を訂正する説明は受けたが、結局、なぜフタを外していたかについては、いまだに説明はない。
全文はこちら
https://news.yahoo.co.jp/articles/5d7fda7899f2c31b157572888a6f3b431d3ff2b2
続きを読む