尿素水の製造を手掛ける石油製品販売の高助(同)は、主に運送業者向けに販売をしている。すべて中国産の尿素を使って製造していたが、10月末に「尿素の入荷ができなくなる」と仕入れ元から伝えられた。
同社生活事業部の阿部渉次長は「他国産尿素の調達を決めたが、仕入れ値は従来の中国産と比べ約3倍もする。まずは確保することを優先した」と明かす。仕入れ価格の上昇で、やむなく年明けにも販売価格を引き上げる予定だ。
経産省によると、国内の尿素の流通は従来、中国からの輸入が全体の2割弱を占めていた。中でもアドブルーに使用する尿素は中国産が約3割と高い。10月15日に中国からの輸入がストップし、本格再開のめどは立っていないという。
尿素水を扱う都内の化学品商社は「中国の電力不足による工場停止が影響している」と指摘する。中国では石炭発電が主力だが、石炭の使用抑制で停電などが深刻化している。尿素の生産縮小に伴って供給を自国内に限定したとみている。
同社は、国内の化学メーカーが尿素の増産に動いていることで「需給は緩和しつつある」とする。だが、中国から輸入していた分はカバーしきれていない。経産省は「国内での増産が進んでおり、1月中に平時の需要量全体を上回る見通しだ。一日も早い需給の安定化を目指す」としている。
全文はこちら
https://www.niigata-nippo.co.jp/news/economics/20211230661588.html