小中学校の教員の働き方改革がいまだ進んでいない。教員の業務負担の軽減を図ろうとカウンセラーや補助職員など公立校の外部人材の数を、政府や自治体は2015年度から2倍に増やしたが、教員の残業時間はほぼ減っていない。授業以外の業務について、管理職らによる削減が不十分だという声が、現場からは根強い。(山田晃史)
◆「出世を狙う管理職は全部やろうとする」
「外部人材は助かる部分もあるけど、子どもに直接関係のない業務が多くて仕事量はさほど減っていない」。東京都内の中学校で働く男性教員(41)は語る。教育委員会から求められる報告書類が多く、いじめ、不登校など種類もどんどん増える。学力向上のため自治体が活用する民間テストも、答案をコピーしてわざわざ自校で採点。「結果がくる前に、校長が教委に報告するためだけにやっている」とため息をつく。
都内の小学校の女性教員(59)は、英語やプログラミングなど教える内容が増えて負担を感じる。始業前や放課後学習などを行うよう教委から求められ、「教委は新しい取り組みの通達はするけれど、やめていいことは明確化しない。出世を狙う管理職は全部やろうとする」と不満を語る。
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