紅葉で人気の北海道の「天人峡」では、ホテルが廃虚化しています。露天風呂だった場所は、雑草が生い茂っているということです。この地域では2件のホテルが廃虚化していて、観光客から「怖い」という声も出ています。
■紅葉名所「天人峡」に“廃虚ホテル”
日本で1番早く紅葉が楽しめるという北海道・旭岳。その近郊に位置し、絶景の紅葉スポットとしても知られる「天人峡温泉」。
美しい渓谷には日本で2番目の落差270メートルを誇る「羽衣の滝」があります。日本の滝100選にも選ばれている名瀑です。
まもなく紅葉シーズンが始まろうとするなか…。
札幌から来た観光客:「景観的には、ちょっと怖い部分もある」
東京から来た観光客:「どうにかなるんだったら、どうにかしてほしいですね」
絶景を台無しにするもの、それは廃虚ホテルです。ドローンを使って上から見ると、露天風呂だった場所は雑草が生い茂り、宿泊客がくつろいだ客室は天井の照明が傾き、布団は敷いたまま。
この廃虚ホテルを巡り、今、大きな問題が…。
東川町・松岡市郎町長:「(撤去に)10億円以上の投資が必要だろう。とにかくマイナスのイメージは非常に大きい」<中略>
■撤去できない“2つの理由”
天人峡温泉は、この10年でホテルが4軒から1軒に減少しました。
「天人閣」は2018年、「天人峡グランドホテル」は2012年に廃業し、廃虚化しています。
「天人峡パークホテル」だけは廃業後に、経営者が自主的に解体しています。
廃虚化したホテルの撤去には、2つの壁があります。
1つ目の壁は「国有地」だからです。
温泉地全体が国立公園、つまり“国有地”ですが、国はこれまで撤去に向けて具体的に動かなかったといいます。
そこで今年6月、北海道と地元自治体の呼び掛けで、国も含めてホテルの撤去に向けた検討会を実施しました。
2つ目の壁は「撤去費用」です。
2軒のホテルを撤去する場合、合わせて10億円以上かかるといいます。
東川町の松岡町長は、「地元自治体でホテルの撤去を検討したが、観光庁の廃屋撤去の補助金、最大1億円を使っても、自治体の負担が大きすぎる」と話しています。
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