「滋賀のラピュタ」に苦渋の柵 無断侵入相次ぎ住民ら 土倉鉱山跡
https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/amd-img/20220925-00000038-mai-000-1-view.jpg
ルールを守り、土倉鉱山第3選鉱場跡前で愛車を撮影するライダー=滋賀県長浜市木之本町金居原で2022年9月17日午前10時39分、長谷川隆広撮影
宮崎駿監督のアニメ映画に登場する「天空の城ラピュタ」に雰囲気が似ていることから、ネット交流サービス(SNS)などで「滋賀のラピュタ」とも呼ばれる土倉(つちくら)鉱山第3選鉱場跡(滋賀県長浜市木之本町金居原(かねいはら)。閉山から半世紀以上たち、建物はいつ崩れてもおかしくない危険な状況だが、「インスタ映え」するとして無断で侵入して撮影する人たちが後を絶たない。地元住民らは事故を防ぐため侵入防止用の柵の設置に踏み切る苦渋の決断をした。
土倉鉱山は銅採掘のため1910(明治43)年に操業が始まり、50年代には鉱山労働者やその家族らで1000人を超える集落もできたが、65(昭和40)年に閉山した。鉱山跡は長浜市の中心部から車で約50分の豊かな森に囲まれた山深い場所にあり、近くには樹齢400年を誇るトチノキの巨木群もある。
◇「映え」求めて1日100人超
滋賀県や長浜市などの委託を受けて周辺の保全活動をしている「ながはま森林マッチングセンター」によると、SNSの普及とともに10年ほど前から廃虚が森にのみ込まれたような独特の雰囲気が話題となってコスプレファンや車・バイク好きなどの「マニア」が集まるようになったという。多い時では1日に100人超が訪れるが、鉱山跡は私有地で途中の道路は狭く、十分な駐車スペースもないなど観光地として整備されているわけではない。
一番の問題は「映える」写真を求めて、廃虚となった選鉱場跡に立ち入る人がいることだ。2020年には同センターや地元有志で作る「金居原の歴史と森を守る会」が選鉱場跡の前に立ち入り禁止の看板を立て、翌年には立ち入り禁止の表示を付けたロープを張る対策も取った。その結果、数は減ったものの、今も「侵入者」は絶えないという。昨年まで十数年にわたり鉱山跡の監視役を務めてきた「守る会」会長の山田洋さん(73)は「コンクリートの床下に機械が入っていた空間が複数あるはずだが、床の鉄筋は弱っており、いつ陥没するか分からない」と危険性を指摘する。
全文はこちら
https://news.yahoo.co.jp/articles/7521208ea84687ad20d77f69c9596cc74b8dcda1