1軒の家から寄せられた苦情で来年3月に廃止されることが決まった長野市内の公園。9日午後の市議会で方針見直しを訴える市議が荻原健司市長に撤回を迫りました。
公園の廃止に反対する小泉市議が市長に直談判です。
長野県市議会・小泉一真議員:「青木島遊園地を廃止することに断固反対します。市長には最後に質問するので、英断を下す準備をしておいて下さい」
そう言われた市長は、ノルディックスキー複合団体でオリンピック2大会連続金メダルを獲得した荻原健司元選手。
長野県市議会・小泉一真議員:「廃止は立ち止まって見直すべきじゃないでしょうか」
廃止方針は覆るのでしょうか…。
1軒の苦情をきっかけに廃止が決まった公園。まもなく工事が始まる予定で、すでに人気はありません。
苦情を寄せた人物に話を聞くことができました。高齢の夫婦2人暮らしの世帯。夫は…。
夫:「公園に遊びに来る親子には何も思っていない。微笑ましく思っている」
ただし、毎日家の前で、児童センターの子どもが40人から50人で遊ぶ状況を想像してほしいと訴えます。
夫:「隣接する児童センターの職員が子どもを遊ばせる際、拡声器を使って指示していたのがうるさくて、やめて下さいと言った。地域に公園がある方が良いというのはよく分かる。しかし、定年して家にいるようになると、その騒音が毎日続くことを知った。18年間妻はそれをずっと我慢してきた」
妻は我々にこう言いました。「雨の日はホッとする」。
一方、同じように公園の近くに住む人のなかには、こう話す人もいます。
近隣住民:「(騒音は)あまり気になっていない。個人差はあると思うけど。全くうるさいとは感じていない」「全然気にならないです。騒音って思ったことない」
子どもの声がうるさいと言う人、うるさくないと言う人…。行政は、どちらの立場に耳を傾けるべきなのか。
長野市議会・小泉一真議員:「遊園地で、かなりの音の発生があるといいますが、それはどの程度の測定数値で、いつの記録か」
長野市の担当者:「測定の記録はございません。測定は行っておりません」
長野市議会・小泉一真議員:「公園を廃止するのは客観的なデータで論じるべきであって、苦情元の主観にもとづいて遊園地の話が論じられるべきでないのは当たり前のことではないですか?」
問題を複雑にしているのは、苦情を寄せたのが1世帯だけだったという点です。
長野市議会・小泉一真議員:「廃止の発端となる苦情は特定の1世帯からということですが、これは事実でしょうか?」
長野市の担当者:「私どもに寄せられていた意見は1世帯のみでございます」
なぜ、1世帯の意見で公園が廃止になるのか。多くの人が引っ掛かっているのは、そこです。
近隣住民:「(Q.長野市の決定については?)そうですね、私たちの意見は聞いてもらってないから。強い意見を持ってる人のあれを聞いてね」
長野市議会・小泉一真議員:「なぜ1軒の要望に応え、苦情元のご機嫌取りを優先する」
長野市の担当者:「これまでも、この方の意見で流されてやってきたわけではございません。我々、管理者が管理者の責任をもって判断させてもらったことです。この方の意見で廃止を判断したものではございません」
近隣住民:「せっかく公園があってね。子どもたちに有効に使ってもらって遊んでもらえれば、良い子どもになると思うんだけど」「ここの家を建てる時に近くに公園があるのは良いなと思って建てました」「(Q.無くなってしまうのは?)残念ですね。できれば残してほしいなとは思っています」
公園がなくなることで被る不利益と、公園があることで被る不利益…。それぞれの重みを測定することは可能でしょうか。
小泉市議は、予告通り荻原市長に質問しました。
長野市議会・小泉一真議員:「廃止は立ち止まって見直すべきではないでしょうか」
長野市・荻原健司市長:「お答えいたします。先程来、議員から色々とご質問を頂きました。廃止ありきの進め方ではないかというお言葉もございましたけれども、やはり、この18年間という長い月日を考えますと、多くの関係者がやはり子どもたちの居場所を確保したいという思いの表れではないかと考えます。私としても非常に苦しい判断ではありましたけども、このまま手続きを進めさせて頂きたいと思います」
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https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000279197.html
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