田んぼや畑などの野焼きによる死傷者が、兵庫県の淡路島内で後を絶たない。自分で消そうとして衣服に燃え移るケースが多く、2019年以降で死者は3人、けが人は11人に上る。淡路広域消防事務組合は「延焼に気づいたらすぐ通報してほしい」と呼びかけている。
年齢別では65歳以上の高齢者が12人と大半を占める。死因は大やけどのほか、重傷で搬送された後に悪化した例や、消火中に心疾患を発症した例もあった。軽傷で済んだケースを含め、ほとんどが延焼に気づいた時はけがをしておらず、自分で消火しようとして被害に遭っているという。
特に高齢者は「通報すると大ごとになる」「迷惑をかけたくない」とためらって通報が遅れる傾向があり、やけどを負ってから2日間も救急車を呼ばずに我慢していた人もいたという。
同消防事務組合の松下文吾消防司令は「淡路島では建物火災より野焼きで亡くなる人の方が多い。足で踏み消す、たたき消すといった行為は死につながる。バケツに水を用意するなど十分注意し、燃え広がったら体面など気にせず、すぐに助けを求めてほしい」と訴えている。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230107-OYT1T50246/