だが、やはり最大の問題は、不健康な犬猫を販売し続ける営業手法に違いない。
その実態を明かしてくれたのが、クーリクの繁殖部門を運営するグループ企業「大浩商事」の元社員X氏だ。なお「大浩」とは、大久保浩之氏の姓と名からとった社名である。
「昔はブリーダーが繁殖した犬猫を、競(せ)りを通して購入していたのですが、それでは業容の拡大に追い付かなくなり、数年前から自前で全国に大規模繁殖場を建設するようになりました」
先述のごとく、店舗は全国で200超……。
「月に1店舗平均20頭が売れたとして、全国で4千頭、年間5万頭もの犬猫が必要となります。今では繁殖場として北海道から鹿児島まで11施設が稼働するようになりました。昨年、鹿児島にできた最新施設は千匹以上の繁殖犬・猫を収容できる規模です」
X氏はそのうち一施設で犬の繁殖を担当していたが、上から降りてくるのは、とにかく「生産性を上げろ」という指令だった。
「もっぱら業務連絡に使われるグループLINEを通じ、出産率を上げ、死亡率を下げるようプレッシャーがかけられます。達成率がよければ、管理職には特別報酬が支払われました」
死亡率が30%を超える月も
X氏の提供による全国の繁殖状況をまとめた内部資料には、目を覆う数字が羅列されている。表の中にある「D犬」という項目。DはDEADの頭文字、つまり「死亡」数だ。21年10月のD犬率は20.2%、11月34.8%、12月30.1%。年平均22.5%とあった。
「30%を超える月はどこかの施設でパルボウイルスが発生していたと思われます。死んだ犬は冷凍庫に一度保管され、たまったら火葬場へ運んで処分します」
繁殖犬の中には遺伝子検査で〈キャリア〉や〈アフェクテッド〉と出た犬も交じっていた。前者は遺伝病の発症遺伝子を半分もつ個体、後者は確実にもつ個体を指す。
「彼らを異常のない〈クリア〉と呼ぶ生体と交配させれば、異常は滅多に引き継がれないという安易な発想からです」
この点、ブリーディングに詳しい獣医師は「繁殖学を無視している」と指摘。
https://news.livedoor.com/lite/article_detail/24954800/
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