量産不可能だった“緩まないボルト”で世界へ 従業員65人の町工場が達成 開発15年の道のり
特殊な技術で開発された極めて緩みにくいボルトが、去年、「第9回ものづくり日本大賞 経済産業大臣賞」を受賞した。日本の産業・文化の発展を支える、ものづくりの第一線で活躍する人材に国から贈られる賞だ。
開発したのは、従業員65人の工作機メーカー、山梨県大月市のニッセー。
■激しい振動が加わっても「緩まない」
緩み防止のために広く使われている、「ダブルナット」という仕組みがある。2つのナット同士で強く押し合う力が生まれ、ボルトを2つのナットが逆方向に引っ張る状態になる。しかし、それも完璧ではない。ボルトに振動が加わり、2つのナットが同時に回転すると、どんどん緩んでしまう。
そこで開発されたのが、「PLB(パーフェクトロックボルト)」。その動きは、まるでマジックを見ているかのようだ。
ボルトを緩む方向にクルクルと回転させると、内側のナットが外側のナットを追いかけるように急接近して、接触。その直後、ナットは2つとも全く動かなくなり、ボルトも回転させることができなくなった。開発当時の社長で、現在は会長の新仏利仲さんは、その秘密は2つのナットが回る「速度の違い」にあると話す。
新仏利仲さん
「振動が起きると(内側のナットは)緩む方向に進みたいんですけども、外側のナットがゆっくりのため、追いついてしまって止まるんです。一本のレールの上に速度が違う2つのナットがあると、どうしても追いつく。そのためどんどん押しあって固くなっちゃう。これがPLB(パーフェクトロックボルト)」
速度の違いは、1つのボルト軸に“大小2種類のねじ山”を作ることで実現している。
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https://newsdig.tbs.co.jp/articles/uty/1053151