釜石市民体育館 工事中にもボルト破損 十分な対応行われず
去年3月に起きた福島県沖を震源とする地震で、釜石市民体育館の鉄骨を支えるボルトが折れる事故がありました。釜石市の事故調査委員会は、建設工事中にもボルトが破損する事案があったにも関わらず、十分な対応が行われなかったことなどが原因だったとする報告書をまとめました。
去年3月、釜石市で震度5弱を観測した福島県沖を震源とする地震で、釜石市民体育館の屋根の鉄骨の接合部分を止めるボルト4本が折れて落下し、市は事故調査委員会を設置して原因を調べてきました。
調査委員会が先月まとめた報告書によりますと、体育館では、工事中にも屋根の鉄骨の接合部分を止めるボルトが破損する事案が発生していたということです。この時、施工業者から「このままでは工事の安全が保たれない」と申し出がありましたが、設計業者や市は、迅速な対応を行わず、関係者の間で十分な協議がされなかったということです。
報告書では、建築基準法上の違反はなかったものの、市や業者間のコミュニケーション不足を指摘し、再発防止策として、工事中に突発的な事案が起きた際には、迅速な対応と協議ができる体制を整えることを求めています。
事故のあと、体育館は休館となっていましたが、設計業者と施工業者がおよそ1000万円を負担して補修工事を行い、去年9月に再開しました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/morioka/20230406/6040017301.html