浜松市の行政区再編で、名称が決まっていない二つの区について、市は5日、新しい名称の複数の候補を市議会特別委員会に示した。両区とも、市民から2000以上の名称案が寄せられたが、応募数が多かった名称が外されたことなどから、市議から市の選考方法に異論が続出。市は今後、市民アンケートを行い、市長の諮問機関で名称を決定する方針で、市民の理解を得るため、丁寧な説明が求められる。
市の行政区は、現行の7区から「中、東、南、西区と北区の一部」(A区)、「北区の大部分と浜北区」(B区)、「天竜区」の3区に再編する方針。
天竜区以外の名称は、市民から募集していた。A区には2315案、B区が2400案が寄せられたという。市は、A、B両区ともに上位100案の中から、類似する名前の地域の有無や、「優劣や上下関係を想起させる」名称などを除き、その上で、上位5案を候補とする方針を示した。市は、絞り込みの基準について、「一体感や調和、融和を配慮した」と説明する。
だが、絞り込む過程で、A区では最多1206件の応募があった「中央」や、「遠州」など公募上位の18案が、候補から外された。この18案は応募総数の47%近くを占めていた。市議からは「応募総数の半分弱を切り捨てることになるのでは」、「上位100案で切るなどの選考方法を事前に周知すべきだった」など、異論が相次いだ。
市は、さらに候補を追加するかを検討した上で、8日に市長の諮問機関「市行政区画等審議会」に、区名候補を提案する予定。その後、市民アンケートで投票してもらい、審議会などで結果を協議した上で、11月に新しい区名を選ぶスケジュールとなっている。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220906-OYT1T50047/


