17日に大阪市北区で起きたビル火災は、発生から30分後にほぼ火が消し止められたものの、24人が犠牲となりました。
【6人が搬送された病院関係者】
『外傷がないというのと、熱傷等があれば外見でわかるので一酸化炭素中毒かなと。ただ、「疑い」なので病院でははっきり断定できない』
なぜ、多くの犠牲者が出てしまったのでしょうか?
サタデーステーションは、火災が起きたクリニックの間取りを再現。受付付近から出火した場合の一酸化炭素の広がり方を「株式会社環境シミュレーション」の協力のもと、シミュレーションしました。赤い部分は、短時間で死に至るような高濃度の一酸化炭素が漂っている場所を示しています。
今回、液体を撒いた男が持ち込んだのは、ガソリンのような液体とみられることから、今回のシミュレーションではガソリン1リットルが受付前の床で燃えたと仮定しました。
すると、出火からわずか10秒。クリニック内で、一気に一酸化炭素が広がったことがわかります。
一酸化炭素はまず、受付前の火元付近から天井へと向かい、出火後わずか1秒で待合室の3分の2程度の天井を覆いました。そして、3秒後には待合室の天井全体に広がります。さらに、8秒後には一番奥にある診察室にも到達しました。
事件が起きた時間帯には、待合室より奥側にあるリワークルームに多くの人が集まっていた可能性があるといいます。
【クリニックに通っていた人】
『「リワークプログラム」の部屋には12人ぐらいは入れると思う。奥の部屋なので逃げられなかったかなと思った。階段に続くところまで行けませんよね』
リワークルーム側の人の目線の高さから一酸化炭素の広がりを見てみると、出火から2秒後、火元付近では一酸化炭素が床から天井まで太い柱のように立ち込め、4秒ほどで天井付近に充満した二酸化炭素が人の目線の高さまで下がってきました。無色無臭の一酸化炭素とは別に、ガソリンが引火した際に出る煙で視界が一気に悪くなっていた可能性もあります。
上越地域消防局が公開している実験映像があります。ガソリンを箱の中に入れて空気と混ぜ、放電した際の火花で爆発させる実験です。使ったガソリンはわずか40グラムですが、爆発とともに蓋が飛び上がり、炎が左側から下へ回り込むように移動。ほぼ同時に黒い煙も発生し、透明だった箱は一瞬で真っ黒になりました。
テレ朝news [2021/12/18 22:30]
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000238855.html
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