Newsweek 12/7(火) 19:23
──1日30分間の瞑想を半年間続けたところ、軽度の認知障害やアルツハイマー型認知症の患者の灰白質が増えるなど、脳の構造に好ましい変化が起きた
瞑想を毎日続けることで、記憶障害などの予防になるかもしれない……
■ 軽度の認知障害のある人を対象にした瞑想実験
インドで行われた研究で、1日30分間の瞑想を半年間続けたところ、軽度の認知障害やアルツハイマー型認知症の患者の灰白質が増えるなど、脳の構造に好ましい変化が起きたことが明らかになった。
アルツハイマー型の認知症は、今のところ完全に治す治療法は見つかっておらず、現在は、進行を遅らせる方法が模索されている。今回の研究結果から、安価で簡単にできる瞑想を毎日続けることで、記憶障害などの予防になるかもしれないと期待されている。
この研究は、インドの科学技術省が行っている「ヨガと瞑想の科学と技術プログラム」が支援したもの。コルカタにある総合病院アポロ・マルチスペシャルティ病院のアミタバ・ゴーシュ博士とインド情報技術大学ハイデラバード校のラジュ・バピ博士らが行った。研究結果は、学術誌「フロンティアーズ・イン・ヒューマン・ニューロサイエンス」に発表されている。
「瞑想が灰白質の容積や皮質厚などに変化をもたらす」という効果については、これまでさまざまな研究で示されてきた。しかしそのほとんどが、健康な被験者を対象としたものであり、また瞑想だけでなくヨガのような動きやマントラなどを組み合わせたものが多かった。つまり、軽度の認知障害のある人やアルツハイマー病の人を対象に、瞑想だけの効果を確かめた研究は他にあまり類を見ない。また、これまでの研究では、8~12週間のものが多かったため、半年間という長さで検証したのは、今回が初めてとなる。
ゴーシュ博士らのチームは、軽度の認知障害がある人、あるいは「ほぼアルツハイマー病」と診断された人のうち、「45歳から70歳」「これまで瞑想やマインドフルネスを実践したことがない人」などの条件に当てはまる48人を集めた。この人たちを瞑想グループと統制群に分け、統制群はさらに、瞑想ではない別のアクティビティを行うグループと、通常通りの治療を行うグループに分けた。
■ 4種類合計30分間の瞑想を半年間毎日
実験参加者は、瞑想の効果を比較できるよう、実験の開始前と終了後に、認知機能を調べるための神経心理学的テストや、MRIで脳のスキャンを受けた。
実験で取り入れた瞑想は、「全身リラクゼーション・テクニック」「平穏なイメージを視覚化する瞑想」「呼吸に注意を払う瞑想」「思考に注意を払う瞑想」の4種類。今回の調査で採用されたこれらの瞑想法は、記憶障害が出始めている患者にも行えるよう、簡素化された内容になっているという。
瞑想グループの人たちには、実験を始める前に、瞑想のやり方のトレーニング・セッションを全4回実施した。トレーニング終了後には、やり方を説明した資料と、1回のセッションで4種類の瞑想を音声でガイドするCD(導入に1分間、各瞑想に約7分間、各瞑想の移行に約10秒、終わりに1分間で合計約30分)を渡した。
一方で瞑想ではないアクティビティを課されたグループは、毎日30分間、塗り絵をするよう指示された。
各実験参加者は半年間にわたり、自宅で毎日それぞれのアクティビティを続けるよう指示され、きちんと続けているかの確認や、何か気になることがあれば相談できるよう、定期的に電話での連絡が取られたという。
※続きはリンク先で
https://news.yahoo.co.jp/articles/a522773dbd865a37f3bcea5b4390d45eb86cfc02
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