1:征夷大将軍 ★:2021/11/14(日) 19:03:21.26 ID:CAP_USER9
文春オンライン2021/11/13
https://bunshun.jp/articles/-/50030
■アシックス、箱根で“着用率ゼロ”からの躍進
全日本大学駅伝の一番のニュースはアシックスの躍進です。
毎年箱根駅伝が終わると、 どこよりも早いシューズ分析を文春オンラインで発表 しているのですが、今年の箱根はアシックス着用選手がなんとゼロ。96パーセントの選手がナイキ。数年前までアシックスが“ランニングシューズ界の自民党”だったことを考えると衝撃的でした。「箱根アシックスゼロ」の衝撃は単なるスポーツニュースの枠をこえ、経済界にも波及。株価にも影響を及ぼしたとまで言われてますから、ただ事ではありません。
しかし、潮目がかわってきたのが、箱根駅伝予選会あたりから。色とりどりのナイキシューズにまぎれてアシックスのシューズが目撃されるようになってきたのです。そして全日本1区のスタートラインにならぶ27人の選手のうち3人がアシックスの新作厚底シューズ「メタスピード」を履いていました。
全日本大学駅伝を走った全選手の足元は確認できなかったのですが、テレビ観測と関係者へのヒアリングから25校200名(日本学連選抜と東海学連選抜は確認できず)の選手の足元分析が終了。200名の選手中、11名がアシックス「メタスピート」を着用していることが判明しました。興味深いのがアシックスのユニフォーム提供を受けている大学以外の選手たちが、「メタスピード」を履いていたことです。そこには駅伝との相性が見えてきます。
■ナイキのシューズの唯一の欠点
陸上長距離界を席巻したナイキの「ヴェイパーフライ ネクストパーセント」、これは勢力図を一変させた素晴らしいシューズですが、実は駅伝においてはひとつ欠点があります。それはマラソンのために作られたシューズということ。
クッション性の良いソールと、反発性の高いカーボンプレートは、長い距離を、同じリズムで、一定のスピードで走るにはとても優れたシューズです。ところがマラソンと比べて距離の短い駅伝では競り合いやラストスパートなど、トラックレースのように小刻みに走るリズムを変えざるをえないときがある。このときヴェイパーフライのような厚底シューズは薄底に比べると切り返しが良くないのです。
アシックスにはソーティという駅伝向きの名作薄底シューズがありました。中高生が走る短い駅伝にはそのシューズはとても適していたし、競技人口も多い。それゆえにアシックスは切り返しの良さを捨てることができず、長らく厚底に手を出すタイミングを失ってしまった。その結果が箱根でのゼロだったわけです。
「箱根アシックスゼロ」の衝撃は出遅れた厚底シーンへの商品投入を一気に加速させることになりました。アシックスが培った駅伝シューズの切り返しの良さを厚底に持ち込むことに成功した。それがメタスピードというシューズなのです。
大きなポイントは反応の良さと安定性。この機能性の高さを実証したのが、優勝した駒澤大学です。
今大会、駒澤大学は主力が何人も故障し、ベストメンバーを揃えることができませんでした。そこで前半区間は駅伝経験の少ない選手を配置、6、7、8区に出雲駅伝で好走した実績のある選手を置き、後半勝負に賭けてきた。このエントリーを見たとき、メディアや関係者が「駒澤大丈夫か?」とざわついたほど。しかし、勝負所にはアシックスのシューズがありました。
■アシックスのシューズで競り勝った、駒大のルーキーとアンカー
1区に選ばれたのは1年生ルーキーの佐藤条二選手。5000mの持ちタイムはチーム4位の13分40秒99。スピードはありますが、駅伝には初登場。近年、1区で出遅れると、その後の挽回が難しくなることから、実績のあるランナーを置く傾向があるなか、ルーキが大抜擢。スタートラインで紐をしめなおしていたシューズがメタスピードでした。
全日本1区大本命は5000mU20日本記録を持つ中央大学の吉居大和選手。スパートの切れも学生トップ。ところが、なんとルーキー佐藤選手が、あの吉居選手にラスト勝負で競り勝ったのです。しかも1区区間新記録のおまけつき。
そして駒澤大学でもう1人アシックスを履いていた選手がいます。アンカーの花尾恭輔選手です。最終8区、トップでタスキを受けた花尾選手ですが、実は今年5月に行われた関東インカレのハーフマラソンで、青山学院大学の西久保遼選手にラスト勝負で負けています。今回、その青山学院大学のキャプテン飯田貴之選手との勝負になりました。8km地点で飯田選手に追いつかれた花尾選手。この時点で多くの人が青学の逆転優勝を予想したでしょう。しかし、追われているはずの花尾選手は焦ることなくすいすいリズムよく走っていく。(以下リンク先で)
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