塩野義製薬は31日、開発中の新型コロナウイルスの軽症者向け飲み薬の最終段階の治験について、患者に実際に投与したデータを初めて公表した。前半部分のデータで、飲み薬を投与した患者は、偽薬(プラセボ)の患者と比べて体内でウイルス量が低下するのが早かった。感染性のあるウイルスが検出された人の割合は、3回投与後(飲み始めから4日目)の時点で、偽薬を投与した人に比べて6~8割減っていたとしている。
今回のデータについて同社は「人に対する有効性が確認できた」と説明。薬事審査を担う医薬品医療機器総合機構(PMDA)にも既に提出しており「早期の承認申請を目指したい」としている。
塩野義は昨年9月末から最終段階の治験を開始。このうち前半部分では日本人の新型コロナ患者69人を対象に、飲み薬の高用量群と低用量群、偽薬を投与する群の3グループに分けて、1日1回、5日間投与した際の抗ウイルス効果を検証した。
それによると、感染性のあるウイルスが検出されたのは、3回投与後に偽薬群で約7割だが、飲み薬を投与した群では約1~2割まで減少。5回の投与完了後は、偽薬群で約3割、飲み薬群では0から1割だった。今回のデータの大半はデルタ株流行下でのものだが、治験とは別の実験で、オミクロン株に対する効果が確認されたとするデータも公表した。
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