探査機「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」から持ち帰った砂などの試料に水が含まれているのを確認したと、東北大や宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの研究チームが22日付の米科学誌サイエンスで発表した。鉱物と結合した分子などの形で水が確認された例はあったが、地球外で採取された試料から、常温では液体となる状態で見つかったのは初めてといい、地球の海の起源解明などにつながる成果だと期待される。
【写真】小惑星「りゅうぐう」から持ち帰り、東北大などの研究チームが分析した砂粒
東北大の中村智樹教授らは、はやぶさ2が持ち帰った試料から大きさ1~8ミリの砂粒17個を、大型放射光施設「スプリング8」(兵庫県佐用町)などで分析。内部構造や鉱物の組成、硬さなどの性質を詳細に調べたところ、試料内の硫化鉄結晶に微小な穴があり、内部に水が閉じ込められているのが見つかった。
成分に塩や有機物のほか、二酸化炭素(CO2)が含まれる「炭酸水」で、りゅうぐうの元となった母天体の内部で硫化鉄結晶が形成された際に取り込まれたと分かった。
分析結果に基づくシミュレーションから、母天体は約46億年前の太陽系誕生から約200万年後に太陽系外縁で生まれ、直径100キロ程度で水と岩石の体積比が1対1と水が豊富だったことも判明。その後、地球に近い軌道に移動し、天体が衝突して生じた破片が集まって現在のりゅうぐう(直径約900メートル)が生まれたと考えられるという。この過程で水は宇宙空間に蒸発したため、現在のりゅうぐうにはほとんど残っていない。
中村教授は「見つかったのは、母天体に大量にあった水と同じだ。こういう天体がぶつかれば、地球に水が供給されることになる。有機物や塩も含まれており、地球の海や有機物の起源に直接関わるような証拠を発見できた」と話した。
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