消費税がさらに引き上げられる可能性はあるのか。産経新聞特別記者の田村秀男さん「財務省は15パーセント以上に引き上げようとしており、防衛費増額はその踏み台だ。メディアは財務省の思惑に乗せられ、消費税増税に向けた世論を醸成しようとしている」という。ジャーナリスト石橋文登さんとの共著『安倍晋三vs 財務省』(育鵬社)より、一部を紹介する――。
■財務省に頭が上がらない新聞社
【石橋】本書の第三章で、財務省のなかでも理財局は軽視されてきたと話しました。理財局を軽視してきたのは新聞社をはじめとするマスコミも同じで、だから国民には理財局の重要性、理財局の管理する莫大な国有財産の存在が理解されてこなかったのだと思います。新聞社でいえば、経済部の責任は大きいと思います。
【田村】きちんと理解して伝えられる人材を育てて配置していないという問題が大きい、と思います。
【石橋】財務省の記者クラブは「財政研究会(財研)」という名称です。記者クラブなのに「研究会」は、おかしい。財務省に財政を教えてもらって勉強しています、みたいな意味になりますからね。まるで財務省の生徒みたいじゃないですか。
■官僚に“ポチ”呼ばわりされる記者が出世する
【田村】財務官僚は情報を欲しがる財研記者を“ポチ”と呼んで手懐けます。内心でバカにしている。そんな記者が新聞社のなかでは評価されるのです。
【石橋】財研でキャップを務めて、財務省から覚えめでたい記者が経済部長になります。そういう人物が経済部を主導するわけですから、財務省の言いなりになるのも無理ありません。
【田村】それから、論説委員も同じです。経済担当の論説委員は、財務省から覚えめでたい人物が就きます。それで何かあると、「ご説明にあがります」と財務官僚がやってきて簡単に籠絡してしまう。
■メディアにも日本経済停滞の責任がある
【石橋】財務省の審議会である財政制度等審議会(財政審)のメンバーになっているマスコミ関係者も同じです。財務省に見事な資料をもらって記事を書いていた人が、財政審のメンバーに選ばれます。まとめてもらった資料は、もちろん財務省に都合のいいようにつくってある。それをわかってるのか、わかってないのか、そのまま記事にするから、財務省に都合のよい記事しか載りません。
それで覚えめでたくなって、財政審のメンバー入りとなります。財政審メンバーになれば、財務省の口利きもあって、どこかの大学の教授になっていきます。新聞社と財務省のあいだには、そうした悪しき慣習みたいなものができあがっています。
【田村】そうしたなかでは、まともな記事がなかなか出てこないのも当然です。財務省は日本のGDPの半分くらいのカネを管理・配分するのですから、国家の命運を左右するのです。メディアがその言いなりになってしまえば、民主主義は形骸化します。大手メディアにそういう自覚がないまま、「社会の公器」「言論の自由」を看板に掲げるのは欺瞞(ぎまん)です。日本経済が四半世紀も停滞し、給料が上がらないどころか下がり続けてきたのは、財務省の緊縮財政と消費税増税政策が招いたデフレのせいですが、財務省の言いなりになってきたメディアにも大きな責任があります。
※続きはソースで
https://news.yahoo.co.jp/articles/a9c4b6969adaa8c5c0beba99995f5bbfd06a8ebe