ワールドベースボールクラシック(WBC)の熱狂から2カ月が過ぎようとしているが、今なおその余波は続いている。これを受けてテレビ局は、空前の野球人気に沸いているという。TBS社員がこう明かす。
「ウチに限らずですが、テレビ朝日さんも含め“WBCバブル”のような状況が今なお続いています。視聴率の好調はもちろんですが、ワイドショーや情報番組でもWBC関連のニュースが非常に刺さります。なかでも、大谷翔平とヌートバーの反応の高さは別格で、彼らのニュースを作れば視聴者の反応がいいという状況は、今も変わりません。これはサッカーのワールドカップ(W杯)後にはなかった現象でもありますね」
同じくテレビ朝日の社員も、次のようにWBCバブルを解説する。
「W杯とWBCという2つの大きなスポーツイベントは、テレビ局的にはどちらも大成功でした。ですが、どちらの影響が大きかったかといえば、やはりWBCです。ドラマチックな勝ち上がりも含めて、やはり日本人のメンタル的に野球というコンテンツは合っているということでしょう。
実際に他局の話ではありますが、WBC後のプロ野球の視聴率は好調で、観客動員数もコロナ前よりも多いほどです。しかし、ことJリーグに関していうならば、ニュース番組などで取り上げる機会は激減しています。サッカーに力を入れているウチですらそうですから、他局の状況は推し量れるというものです」
W杯後のJリーグに目を向けると、その盛り上がりがリーグに還元されたという話はほとんど耳にしない。だが、必ずしもネガティブな話題ばかりではない。「DAZN」の放映権料は194億円にも上り、その恩恵もあってJリーグの収益額は320億円にも達する。もちろん、J3までで60クラブというクラブ数の差はあれど、プロ野球(NPB)の50億円と比べると、数字上は十分健闘しているとはいえるだろう。しかし、その内情に目を向けると、現実は厳しい。スポーツメディアの編集者が、ため息混じりにこう話す。
「DAZN頼みになっている、というのが率直な感想です。メディア的な視点を加えるなら、Jリーグ関連の配信記事は、とにかくアクセス数が伸びません。時折アクセス数を稼ぐものもありますが、それは概ね浦和レッズのサポーターやサッカー協会の金銭事情という、どちらかというと不祥事よりのネガティブなものです。
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https://biz-journal.jp/2023/05/post_342161.html
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