北海道の知床半島の沖合で、観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が沈没してから6日で14日目…また、安全管理“軽視”の疑いが発覚しました。
「KAZUⅠ」の事故当日の運航は、いわば“ぶっつけ本番”で、運航会社の社長が記者会見で話した、前日の安全確認のための運航には「出ていない」と元従業員が証言しました。
その事故前日の22日について、運航会社の桂田精一社長は記者会見で「4月22日に『KAZUⅠ』で豊田船長が他の運航会社の方と共に、海上の浮遊物を確認するために安全確認運航を行っております。これは本事故日の23日と全く同じコースでございます。そのための安全、23日を走るための安全確認を行っております」と説明していました。
これに対して元従業員は「(22日に)23日のコースに『KAZUⅠ』は出ていない。豊田船長は他社の船に乗って確認に出ている」と証言しました。
違法とか、安全管理規程に背いているという問題ではないとしながらも、何か月も休み、今シーズン初めてとなる厳しい自然の海での運航が、いわば“ぶっつけ本番”、さらに社長は、その事実と異なる説明をしているとは…元従業員は、あの会社、あの社長に対して「海のことは素人だし、安全管理なんてあってないようなもの」と厳しく指摘しています。
さらに、沈没の原因について問われると「エンジンの調子が悪かったとは聞いていない。船底の傷、ひび割れは毎年あって、中に入った水を抜いていた」「毎年、修理していたが、今年は間に合わず、修理せずに出航していた。豊田船長には『今季は間に合わないから、来季、船を陸に揚げたら修理しろ』と言った」「毎年、水は溜まっていても、動いていたので、直接的な原因ではないかもしれない」としています。
ろくに注意報も確認せず、当日“ぶっつけ本番”で出航したとみられる「KAZUⅠ」…元従業員は「豊田船長は、5人でやっていたような仕事を、1人でやらされていた」。「お客さんもそうだけど、早く見つかって欲しい。一緒に酒飲んだこともあるんだから、豊田さんは…だから、早く見つかって欲しいよね」と話し、捜索や捜査を見守っています。
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