2010年頃から横ばいが続き、成長が止まりつつある牛丼チェーン市場。足元では物価高騰により苦戦を強いられており、今後、さらに各社の競争は激しくなることが予想されている。そうした中、現在「吉野家」「松屋」に大差を付け、牛丼チェーン業界の首位を走っているのが、ゼンショーグループが運営する「すき家」だ。同じ商品を扱いながら、なぜこれほどの差が付いているのか。その理由は「味」以外のところにあるようだ。<中略>
すき家が圧勝できた理由、秀逸すぎる「出店戦略」
2000年代以降、吉野家の停滞とすき家の成長ぶりが目立つのだが、これはすき家が、(1)郊外立地の、(2)ファミリー向けのテーブル席の多い店舗で、(3)牛丼を中心としつつも定食的多様なメニューで、顧客層を拡大したことによる。
吉野家は先行トップシェア企業として、都市部の駅前一等地を押さえていたため、すき家は郊外という場所を開拓して、ファミリー層を取り込むという顧客層拡大を行って成功した。新たな立地、顧客層の開拓に成功したすき家は、一気に出店を加速して吉野家を抜き去り、圧倒的なトップシェアを確立した。その際、並行して進めていたM&Aによる企業規模拡大が、投資資金確保の後押しをしていたことは言うまでもない。
ここでもう1つ注目すべき事実は、2010年代になると牛丼店という業態自体が飽和して、横這いになってしまっている、ということだろう。
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