ユニゾホールディングス(HD)は26日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、同日付で保全・監督命令を受けたと発表した。2020年の株式非公開化に際して多の借入金を抱え、新型コロナウイルスの感染拡大でホテル事業が低迷。資金繰りが悪化した。負債総額は1262億円で、帝国データバンクによると23年に入って最大規模。<中略>
グループのユニゾホテルやユニゾ不動産は今回の申し立ての対象外で営業を続ける。ユニゾは「ホテルユニゾ」などのブランドでホテル事業を展開し、国内外でオフィスビルを所有している。
ユニゾHDを巡っては、19年にエイチ・アイ・エス(HIS)が敵対的TOB(株式公開買い付け)をしかけ、その後複数の買い手候補が現れた買収合戦に発展した。最終的には、米ファンドのローンスターと組み、上場企業初となる従業員による買収(エンプロイー・バイアウト=EBO)で20年に上場廃止となった。
EBOはユニゾ従業員と米投資ファンドのローンスターが設立した「チトセア投資」がTOBする形で実施。その際にチトセア投資がローンスターから調達した約2000億円の返済が重荷となった。22年9月末時点の有利子負債残高は連結ベースで2344億円。現預金183億円をはるかに上回り、半期報告書には「継続企業の前提に関する重大な疑義を生じさせる」と記載していた。
ホテル事業ではコロナ禍で落ち込んだ稼働率や客室単価の回復が振るわず、22年4~9月期の連結経常損益は5億9600万円の赤字。土地や建物の売却益を105億円計上し、最終黒字は確保していた。23年5月26日に100億円の社債の償還期限が迫っており、資金の手当てが不可能だと判断した。
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