新エネルギー車の普及が著しい中国で、中国メーカーがプラグインハイブリッド車(PHV)を積極投入している。これまでは電気自動車(EV)に注目が集まっていたが、EVの航続距離への不安が根強いことに加え、補助金の打ち切りで割高感が強まったEVからの回帰の流れが生まれ始めている。(石井宏樹)
中国の新エネルギー車 中国政府はEV、燃料電池車(FCV)、PHVをほかの車と区分。補助金や規制を通じて生産・販売両面で優遇している。2022年の中国の新エネ車の販売台数は前年比93%増の688万台。全体の販売台数の4分の1を初めて超えた。<中略>
◆うまみも需要も薄れたEV、急伸するPHV
PHV躍進は数字上でも明らかだ。中国の業界団体によると、今年1~4月の新エネ車販売台数は前年同期比36%増の184万台。内訳を見ると、EVは125万台で全体の7割を占めるが、伸び率は19%にとどまった。一方、PHVは58万台と台数ではEVに及ばないが、増加率は94%とほぼ倍増した。
昨年末で新エネ車への補助金が打ち切られたため、消費者にとって高価な電池を大量に搭載するEVは価格上の強みが薄まった。テスラなどEV大手が値下げ攻勢をかけたことで収益が悪化し、メーカーにとってもうまみは減りつつある。
EVはこれまで政府から環境対応を求められるタクシー会社やネット予約タクシーの運転手らが顧客として買い支えてきた。しかし、タクシー需要が飽和状態になり、EVの販売増加の余地が小さくなっている。一方、ガソリンも使えるPHVは航続距離の不安が少なく、通勤や旅行などで一般消費者の根強い支持を集めている。
全文はこちら
https://www.tokyo-np.co.jp/article/259236