JavaScriptの開発者であるMarak Squires氏は、自ら開発したオープンソースライブラリーが収入を生み出さない点に不満を感じ、意図的にライブラリーを破損させた。これにより、他のプログラマーやエンドユーザーは使用していたプログラムが使えなくなってしまうという事態に陥ってしまった。
あなたがJavaScriptを使うプログラマーでない限り、「colors.js」や「faker.js」というJavaScriptライブラリーの名前は、オープンソースでありながらも耳にしたことがないはずだ。前者は、一般的なJavaScriptランタイムであるNode.jsを使用する際に、コンソール上のテキストを着色するものであり、後者はテスト用のダミーデータを生成するものだ。faker.jsは2500本を超えるnpmプログラムで使用されており、1週間に240万回もダウンロードされている。また、colors.jsは1万9000本近くのnpmパッケージで使用されており、1週間に2300万回ダウンロードされている。つまり、あちらこちらで使われている。ところがSquires氏は、自らで生み出したこれらライブラリーを破損させ、数万本に及ぶJavaScriptプログラムを正常に動作しない状態に陥らせたのだ。<中略>
Squires氏はなぜこのような行動に出たのだろうか。本当のところは何も分かっていない。GitHubで公開されているfaker.jsのReadme.mdファイルには、「実際のところ、Aaron Swartz氏に何が起こったのだろうか?」と記されている。Aaron Swartz氏とは、マサチューセッツ工科大学(MIT)の学術誌の記事を公開しようとしたという疑いで刑事責任を問われ、2013年に自殺した人物だ。
この件と今回の事件がどのように関連しているのか、筆者には判断できない。
同氏が自らのライブラリーに無限ループを仕込んだ理由のうち、最もありそうなのは金銭的なものだったと考えられる。現在は削除されているがGitHubのIssuesには、「謹んで申し上げるが、私はもはやFortune 500企業(そして規模のより小さな他の企業)を自らの無償の仕事でサポートしようとは考えていない。それ以上に語ることはあまりない。この機会に、数十万ドル規模の年間契約を私と締結するか、プロジェクトをフォークして他の誰かに作業をしてもらってほしい」と記されていた。
しかしこれはおかしな理屈だ。オープンソース開発者は自らの仕事に対して十分に報いられるべきだが、自らのコードを破壊するのは他の人から報酬を得るための手段になり得ないはずだ。。
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