5月8日に新型コロナウイルス感染症が5類扱いになり1カ月ほどが過ぎたが、まだマスクを外さない日本人も少なくない。その原因についてフランス哲学者の福田肇氏は、「日本には、公共性がなく、公共性“もどき”しかないからだ」と喝破するーー。
日本人のメンタリティは、西欧的な意味での「社会契約」に基づく公共性からもっとも遠いところにいるのかもしれない。各人が、他者のまなざしにたいする被曝からみずからを防衛するために逃げ込んだベールのこちらがわの〝私的空間〟が各人の数だけあって、そのなかに退去している各人それぞれの感情や感覚や想像の衆合や離反が、〝公共性もどき〟をなんとなくつくっている。
日本人のマスクにたいする親和性の高さは、彼らのこうしたメンタリティのひとつの反映といえるのかもしれない。
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