春夏あわせて7度の甲子園制覇を誇り、「永遠の学園」と校歌に謳われたPL学園(大阪府富田林市)の灯が消えようとしている。
2月10日に行われた2023年度の入試の日、近鉄喜志駅から徒歩15分の同校は人の出入りがまるでなく、校門脇の警備員室の担当者が直立しているだけだった。「試験会場」の立て看板もなく、高校進学に胸を昂ぶらせた中学生の姿はない。
大阪私立中学校高等学校連合会が公表した入試出願状況によると、今年のPL学園の国公立コースの競争倍率は0倍――つまり、ひとりの受験者もいなかった。
もうひとつの理文選修コースも、89人の外部募集に対し、専願3人、併願4人の志願者しかおらず、競争倍率は0.08倍だ。ちなみに、前年度の受験者も国公立コースが1人、理文選修が2人という窮状だった。
もちろん、系列のPL学園中学からの内部進学者はいる。それでも現在のPL学園高校の生徒は3年生40人、2年生20人、1年生15人で、3学年あわせても75人しかいない。中学校も3年生27人、2年生9人、1年生7人の43人。中高共に、学年が下がるごとに目減りしており、高校も数年後には一学年に一桁の生徒しかいない時代を迎えるかもしれない。<中略>
「信者ではない球児も入信して教会に所属し、アミュレットを1万円で購入して入部していました。ところが、現在は仏壇に祀るようにして拝めるお神霊(みたま)を持つ家庭の生徒しか入学を許されないといいます。つまり、教団および学園の方針で、熱心な信者の2世や3世ばかりになっている。PL学園は教師(布教師)の育成学校のようなかたちとなっています」
受験者を増やすために門戸を広げるのではなく、むしろ経営陣自ら閉鎖的な学校運営へと舵を切っているような現状なのだ。それゆえ、硬式野球部と同じようにもともとの信者ではない生徒が数多く入部し、全国屈指の強豪だった剣道部や、女子バレーボール部も新入部員の募集を停止しているという。
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