イーサリアムの大型アップデート「マージ」が実行されたことにより、GPUを用いた仮想通貨マイニングが「儲からなくなった」と複数メディアが報じています。
2022年9月15日(木)、最も儲かるマイニング可能な仮想通貨であったイーサリアムは、GPUベースのマイニングを段階的に廃止するための「マージ」を完了しました。イーサリアムは仮想通貨の取引や送金データを支えるブロックチェーン技術としてプルーフ・オブ・ワーク(PoW)を採用してきましたが、マージによりこれがプルーフ・オブ・ステーク(PoS)に切り替わっています。PoWをPoSに切り替えることで、イーサリアムのエコシステム全体の消費電力を大幅に削減することが可能となります。
しかし、これは仮想通貨マイナーにとっては悪いニュースであるとテクノロジーメディアのPCMagは指摘。その理由は、PoWに対応して設備投資を行ってきたマイナーにとって、ハードウェアの性能に左右されないPoSへの移行は仮想通貨マイニングを「儲からなくするアップデート」そのものだからです。仮想通貨マイニングを生業としているフィリップ・ロブ氏は、PCMagに対して「マージはすべてを台無しにしてしまいました」「私のマイニング用機材はすべてアイドリング状態に移行しました」と語っています。
イーサリアムによりマージが発表された当初、仮想通貨マイナーはPCのグラフィックカードを用いたマイニングで稼ぎ続けるため、イーサリアムのマイニングからErgoやRavencoinといった別の仮想通貨マイニングに移行することを検討していました。しかし、イーサリアムは1ETHあたり約19万5000円と非常に高額で取引されていますが、Ergoは1ERGあたり約460円、Ravencoinは1RVNあたり約5.9円であるためこれらをマイニングしても採算が取れないというのが現状です。
PCMagは実際にshoppingmode NVIDIAのグラフィックカードであるRTX 3080を使ってRavencoinをマイニングしたところ、1日あたり0.13ドル(約18.6円)から0.26ドル(約37.3円)ほどしか稼げないことが明らかになったそうで、「これはカリフォルニア州の高額な電気代を支払う前の収益であり、電気代を払えばグラフィックカード代金を考慮しなくとも赤字に転落する可能性があります」と記しています。
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https://gigazine.net/news/20220920-no-one-profitable-gpu-mining/