現在、大学の教員に「実務家教員」と呼ばれる存在が増加している。文部科学省によれば「専攻分野における実務の経験を有し、おおむね5年以上の実務の経験を有し、かつ高度の実務の能力を有する者」と定義されている。
大学がこうした実務家を教員として雇用するようになった背景には、学部段階から企業との有機的な連携を求める声や、実践的な教育へのニーズの高まりがあると言われている。<中略>
■「芸能人と仲が良かった」テレビ局時代の自慢話
「自分たちの知らないマスコミの中の話が聞けるのはよかったが、“業界風のノリ”が嫌だった」というのは、現在、マスコミに勤務する女性・Aさん(20代)。大学時代に「テレビ局出身の実務家教員」のゼミに所属していた。
「ゼミの先生は、とにかく“昭和臭”がすごかったですね。気に入っている女子学生をしょっちゅうゼミのあとに飲み会に誘って、その場でも『彼氏いるか? 早めに相手を見つけないと、売れ残るぞ!(笑)』などとセクハラ発言をしていたこともありますし、男子学生には高圧的な態度で『お前じゃマスコミで働けないぞ? 社会に出る気あるのか?』などと発言していました。“社会人経験者”として学生にマウントを取っている印象でした。
またテレビ局にいた時代の自慢話も多く、『あの芸能人と仲が良かった』とか『自分がテレビを作っていた頃は良かった』と“老害トーク”ばかりで、ちゃんと卒論指導してほしいと愚痴を言っていた学生も少なくありませんでした」
私立大学に通っている女子学生・Bさん(20代)は、「広告代理店出身の実務家教員」によるマーケティング系の講義を受講している。
「コロナ前は頻繁に飲み会をしていて、一部のゼミ生に代理店の男性を紹介したりしていました。私が一番嫌なのは、一部の学生を“さん付け”ではなく『○○ちゃん』と呼んだり、お気に入りの学生を下の名前で呼び捨てしたりすることです。
正直、今の時代に合っていないと思うし、気持ち悪いです。でも、その軽いノリが好きだという学生もいるので、悪い面ばかりではないのかもしれませんが……。なかには代理店に就職したくて、コネがもらえると思い込んでいる学生も多いようです」
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