東京都内の会社と業務委託契約を結んでフリーランスのカメラマンとして働く40代の男性は、ずっとある思いを抱いてきた。 
 「自分の働き方は、本当にフリーランスなのか」 
 男性によると、この会社から受ける撮影の仕事は、多いときは月20日ほど、計200時間を超えることもある。他の企業からの仕事を受ける余裕はない。現場での撮影は自身に裁量があるが、撮影場所や時間は発注者の意向に拘束され、自分では決められない。 
 自分の働き方は、まるで雇用された会社員のようだ。自分は「偽装フリーランス」ではないか――。 
 男性が明確にその疑問を持つようになったのは、「同僚」が巻き込まれた仕事中の事故がきっかけだった。 
撮影中の事故、治療は自己負担 
 昨年4月ごろ。男性と同じようにこの会社と業務委託契約を結んで働く別のフリーカメラマンが、仕事中に落ちてきた撮影機材にぶつかって負傷した。 
 社員やアルバイトなどの雇用された労働者なら、仕事上の事故でけがをしても、労働災害として保護される。 
 しかし、フリーランスは原則として労災保険の対象になる労働者とはみなされない。同僚は労災申請せず、治療費を自分で負担したようだった。 
 「それって本当にいいんだろうか。自分も撮影中にけがをしたら、自己負担になるんだろうか」 
 疑問を持った男性は、ハローワークに足を運んで、自分も労災保険などに加入できないか相談した。担当者から働き方を詳しく聞かれ、担当者はその後、会社にも電話で聞き取りをしたらしかった。 
 このことを、会社の社長にとがめられた。 
 同年5月、社長は男性を呼び出してこう言った。 
 「なぜハローワークに行った…(以下有料版で,残り1646文字) 
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