ロシアがドイツへ天然ガスを供給する主力の海底パイプライン「ノルドストリーム」(NS)が11日から止まった。運営会社による毎年の定期検査のためで、21日までの予定だ。だが、ウクライナ侵攻を巡って対立する欧州を締め付けるため、ロシア側がこのまま供給を止めてしまうのではないかとの懸念が出ている。
「正直、誰にも分からない」。ドイツでエネルギー規制を担当する連邦ネットワーク庁のミュラー長官は11日、公共放送ZDFでこう述べた。点検後もガス供給の停止が続く恐れはあるが、ロシアからは供給を再び増やす可能性も示唆されるなど、「様々なシグナルが発せられている」という。
ロシア国営の天然ガス企業ガスプロムは6月半ば以降、NSの供給量を一気に6割削減した。NSで使われ、カナダで修理中だったタービンが、ロシアへの経済制裁のため、ドイツに戻されなかったからだと主張してきた。
ロシアのペスコフ大統領報道官は6月23日、「(6割削減は)技術的な理由だ。タービンが戻らないのは完全に技術的ではないと思うが」と述べた。
ドイツとカナダ両政府は対応を協議。カナダ政府が9日、タービンのドイツへの輸送を許可し、「ロシア側の理由を排除した」(ドイツ政府報道官)という。
ガスプロムの削減理由が本当ならば、定期点検も終わり、ドイツに戻ったタービンが使えるようになった時点で供給は戻る。
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