「ウニ、ツブ、サケ。近海ものの海岸に近いような魚がだめですね。全滅に近い。平均で3割は値上がりしている」。45年にわたり水産業に携わってきた吉本龍真さん(68)も、こんな経験は初めてと驚く。
異変はツブにとどまらない。大量死が相次ぐサケの新巻きは1本通常2000円が5割高い2980円。タコも含め庶民の味が続々値上がりし、来店した主婦からはため息がもれる。
「やっぱりサケやイクラは高い。タラが安いと聞いたのでタラを買っている。カレイとか」(30代女性)
「生筋子が、今年は今までで一番高かった。だいたい1万円くらいかかった。地方で楽しみにしている家族に送ったりしていたので」(70代女性)
消費者側も工夫して年越し準備に取りかかっているようだ。
「タラコが安かった。しょうゆ漬けにしたりして間に合わせている」(80代女性)
「年末年始は海鮮を減らして、すき焼きとかいいお肉を食べようかな」(30代女性)
海産物離れも懸念されるが、鮮魚店の吉本さんは事態を見守るしかない。
「これまで経験がないから、赤潮が冬場に発生すること自体が初めてですから。これから、年が明けてどうなっていくのか見守っていく」
「原価で1貫1000円」ウニは値段据え置きで半分に 苦悩する寿司店、道外ネタへの“魚種転換”も
飲食店、中でも寿司店に余波が直撃している。札幌市内の「回転すし活一鮮」では、これまでウニは1皿2貫で539円だったが、被害が明らかになって間もない10月から1貫に減らした。
「ウニの仕入れ値は一折2000円だったのが今後1万円を超えるんじゃないかと言われている。原価で1貫1000円という計算になる。1日数量限定で販売せざるを得ないかな」
https://news.yahoo.co.jp/articles/4a3973bad8aa4bcce0bebc122a05262e11b5c418