2021年のフランス出版市場は4冊に1冊がコミックス、うち2冊に1冊が日本の漫画
2021年フランスコミックス市場
ここまでが書籍市場全体の展望となります。では、その中で特にコミックス(つまりBDと漫画などを合わせた市場)はどの様な動向だったのでしょうか。
ここ10年間コミックス(紙+電子出版)は売上を伸ばしてきましたが、2021年は50%以上の成長率を記録し、8500万部以上、9億ユーロ(約1170億円)近くの売上高に達しました。コミックスは部数で市場の24%を占め、文学作品のシェア(25%)に迫り、子供向け書籍を700万部も上回って市場2位のジャンルとなったのです。
これは、コミックス内のセグメント全体が成長している表れでもあります。+107%という驚異的な漫画の部数増加に加え、子供向けBDは+34%、漫画と子供向けBDを除いたBDは+20%、アメコミは+18%の伸びを示しました。<中略>
急成長するフランスの漫画市場
2021年、フランスで販売された本の4冊に1冊はコミックスであり、そのうちの2冊に1冊が漫画だったのです。コミックス市場における漫画のシェアが35%を超えたのはこの年が初めてのこととなりました。
このように、成長する書籍市場を牽引するコミックス市場の中で、さらに市場の標準を揺るがすほどに存在感を増しているのが漫画であることが解ります。
2021年、フランスの漫画市場は急成長し、日本国外においてこのジャンルで一、二を争う市場となりました。部数および価値において売上は、2020年(新型コロナ禍が始まった年)および2019年(パンデミック前の年)に対して2倍以上になっています。
主に、5つのセグメントに分けられている漫画市場の全てのセグメントが成長を続けています。「少年」は1年で3500万部(前年比+112%)を販売し、売上の大部分を占めています。「青年」は960万部(+104%)、「少女」(190万部で+62%)、その他の漫画(50万部で+82%)が続きます。
NARUTO、鬼滅の刃、進撃の巨人……
中でも『NARUTO -ナルト-』1巻は、前年に続いて書籍市場のナンバーワンの座を守り(自動的に漫画市場のナンバーワンにも)、また2巻と3巻も漫画市場のトップ5にランクインしました。これは新作品、続刊、既刊、全てを含んだ全タイトルの中で2021年に最も販売された漫画となったことになります。
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https://hon.jp/news/1.0/0/36603
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