2023年の世界的リセッション(景気後退)の示唆が増える中で、長年にわたってテクノロジーブームの中心地だったサンフランシスコほど苦境に陥りそうな米都市はおそらくないだろう。新型コロナウイルス禍が3年近く続き、在宅勤務の定着、法外な賃料、ホームレス問題、犯罪の多さなどは、市の成長と世界トップクラスの大都市としての地位を脅かしている。<中略>
サンフランシスコは19世紀のゴールドラッシュに沸き、「ドットコム・バブル」崩壊や世界金融危機など好不況の波を経てきたが、今や過去最大の改革を必要としている。最も急を要する課題は、長期にわたるリモートワークへのシフトが市中心部の空洞化をもたらし、地元経済に打撃を与えていることだ。市の金融街にはきらびやかなオフィスタワーが立ち並ぶが、その半分は空室で他の用途は限られている。住む人は少なく、観光客も少ない。
セールスフォースの共同最高経営責任者(CEO)で、サンフランシスコの最も著名な支援者の1人である資産家マーク・ベニオフ氏でさえ、市の再生が急務だと認めている。
ビジネス街には「もっと多様性が必要だ」とベニオフ氏はブルームバーグとのインタビューで語り、サンフランシスコがニューヨークなどに比べて活気がないと嘆いた。「中心街にもっと住宅が必要だ。美術館やクラブ、大学も必要だ。オフィススペースはテクノロジーブームのために最大化された」と指摘した。
働き方の変化への対応に苦戦している都市はサンフランシスコだけではないが、いわゆる知識労働者への依存の大きさが同市の回復をより難しくしている。市経済の約72%は、オフィスを勤務場所とする業界がけん引している。オフィスの空室率は過去最高の25%余りに達し、地元ビジネスに打撃を与えている。
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https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-12-20/RN43EWT1UM0W01

