青森県の八戸圏域が米国の大手旅行誌「コンデナスト・トラベラー」英国版のウェブサイト特集に取り上げられ、「2022年ベストホリデー・デスティネーション(最高の休暇を過ごせる旅先)」として紹介された。八戸市や周辺町村にインバウンド(訪日外国人旅行者)を呼び込もうと、観光地域づくり推進法人「VISITはちのへ」が売り込みを図った戦略が奏功した。
特集では北京、英バーミンガム、ノルウェーのオスロなど世界各地の22カ所について写真付きの記事を掲載。日本からは唯一、八戸圏域が選ばれた。
東日本大震災に触れながら、長距離自然歩道「みちのく潮風トレイル」(八戸市-相馬市)を「絵のように美しい1000キロ」と表現。復興支援を兼ねて沿道の民宿に泊まることで、東北の暮らしを垣間見ることができると提案する。
ほかにも縄文文化や南部地方の伝統工芸、史跡根城(八戸市)などの見どころを伝える。「訪問客は日本のインバウンドの2%に満たない、見過ごされた地域」とも分析。人混みを避けて自然や文化を体験するという、新型コロナウイルス禍に合った旅先として薦めていることがうかがえる。
VISITはちのへは地域の生活や歴史に関心が高いとされる英国やフランス、台湾からの誘客を目指す。インバウンドのマーケティングを手掛ける日本企業と連携し、現地に代理人を配置。メディア関係者らと接触して継続的に情報発信することで、掲載の機会を狙う戦略を展開している。
コンデナスト・トラベラー英国版のウェブサイトには、月に約190万人のユーザーがアクセスするとされ、VISITはちのへは圏域の魅力を売り込む相手として最重要ターゲットの一つに位置付けていた。
担当者は「世界の旅行トレンドをけん引する雑誌に評価された。コロナ収束後を見据え、インバウンドを受け入れる準備を進めたい」と意気込む。
河北新報 2021年11月20日 06:00
https://kahoku.news/articles/20211119khn000040.html