地方の「超高層ビルマウント」に習政権激怒、500メートル以上のビル建設禁止に
https://news.yahoo.co.jp/articles/f68d72d1047718cd6c5343bdbcd26f1a3f4c9ad4
高層ビルは都市にとって発展のシンボルだ。そして「摩天楼」といえばニューヨークをイメージするように、20世紀の超高層ビルは米国に集中していた。
しかし、2022年時点で世界の高層ビルトップ10の半分は中国にある。「虚栄心」「マウント」のために地方に超高層ビルが次々に建築される状況に、中国政府は神経をとがらせている。
☆高さ500メートル以上の建築物は絶対禁止
7月12日、国家発展改革委員会(発改委)は「高さが500メートルを超えるビルの新規建設を禁止し、250メートルを超えるビルの新規建設を厳しく制限する」という通達を発表し、「大欲、欧米への媚び、奇怪が織りなす建築物のカオス」を痛烈批判した。
実は中国政府による高層ビル建設規制の通達は、20年4月に「原則として高さ500メートル以上の建築物の新規建設を禁止」と決定して以来4回目だ。
21年10月には高さ500メートル以上の高層建築物の建設が一律禁止されたほか、
・人口300万人以下の都市で高さ150メートル以上の超高層ビルを建設する場合、
特別な承認が必要。高さ250メートルを超えるビルの建設は一律禁止。
・人口300万人以上の都市では、一定の条件下で高さ250メートル以上のビルの建設を申請できる。
などと線引きを決め、基準を守らず建設を承認した担当者を処罰する方針も示した。
☆500メートルすれすれのビルが次々建設
中国の超高層ビルの建設ラッシュは止む気配がなく、同メディアは「22年に建設中の世界の超高層ビル上位25棟のうち20棟が中国」とも指摘する。そしてそれらの多くは、500メートル規制すれすれの高さとなっている。
25年に完成予定の「緑地金茂国際金融中心」(南京)は高さ499.8メートル、地上104階。「蘇州中南中心」(蘇州)は高さ499.15メートル、地上103階、地下6階。そして28年完成予定の「河西魚嘴金融中心」(南京)は498.8メートル。
実はこれらのビルの大半は、20年の「500メートル規制」を受けて、建築の途中で高さを削ることになった。蘇州中南中心は着工時には中国一高い729メートルのビルを目指していた。